QT PRO モーニングビジネススクール

QT PRO
モーニングビジネススクールWeb版

FM FUKUOKAで放送中「QT PRO モーニングビジネススクール」オンエア内容をWeb版でご覧いただけます。
ポッドキャスティングやブログで毎日のオンエア内容をチェック!

PODCASTING RSSで登録 PODCASTING iTunesで登録 電子書籍で記事を読もう! EPUB

ブログ&ポッドキャスト詳細

QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > 英国における異文化(9) (英文法理論、コンピュータによる英語教育/鈴木右文)

英国における異文化(9)

鈴木右文 英文法理論、コンピュータによる英語教育

13/09/16

今日はイギリスにおける異文化シリーズということで、その中でも「イギリスの家」にスポットを当ててお話しようと思います。

イギリス、アメリカ両方行かれた事がある方は皆さん分かると思うのですが、アメリカへ行くと、広い芝生の上に堂々と家が建っています。しかも、そんな家を「1,500万円で買える」といった話で、驚かれて帰ってきた人も多いかと思います。一方イギリスへ行くと、割と日本と同じようにせせこましい町中の、小さな路地に家々がひしめきあっており、中には長屋のような感じになっている場所も多くあります。私は、「これらの違いがどこからきているのか。」ということを考えた事があります。そこで今日は、そのあたりからイギリスの家の造りの話、そして、その家々にある「庭」についての話をしようと思います。

まず、家の造りについてお話します。元々、イギリスは歴史が長いのですが、ローマ時代に石で家を造るという事が始まり、それ以来、"石"で家を造るようになりました。このように石造の家にすることで、家が何百年も長持ちするわけです。言い換えると、現在イギリスにある家々はかなり古い時代に建てられた家であり、それらは当然、「道路が広くなること」や「車が必要になること」といった事は全く考えられず造られた家なわけです。そのため、現代生活から見ると不便と思われるような家が多いわけです。
例えば、車を入れるためのガレージを持っている家は少なく、それらの家では、車を「路上駐車」しています。しかしこれらは禁止されている訳ではなく、イギリスでは、それぞれの場所において、住民が特殊な許可証を自治体からもらっており、いわゆる「路上駐車」をやっても良いことになっているのです。当然、我々が勝手に行き、許可証無しに車を止めていいわけではありません。このように、狭い路地の両側に車が並ぶため、他の車が路地に入ってきた場合、場所によってはすれ違いが出来ないような状況になってしまうこともあります。しかし、そうでもしない限り、車を置く場所が無いわけです。

また、路地から家々を見渡していると、ブラインドやカーテンを下げていない家が多いことに気付きます。そのため家中がバッチリ見えてしまうのです。これについては、どうしてなのか、その理由を考えたり、人に聞いたりして分析した事がまだ無いのですが、日本とは大きく違うなと感じています。恐らく、「日差しが日本ほど強くない」ということは少なからず関係していると思うのですが、詳しい事情はよく分かりません。我々としては家の中が見えるわけなので、「あぁどういう書斎の様子をしているのかな。」「リビングの様子はどのような感じなのか。」というような事が分かりますので、不思議ではありますが、面白いと言えば面白いですね。

このように、イギリスには小さな家が多いのですが、これらの家々は大体、1度にどんとその地域に建つことが多いです。つまり、日本のように1軒1軒全く違う時期に、違った造りで勝手に造るというようなことではない事が多いわけです。そのため、集落を航空写真などで上から眺めてみると、ほとんど同じ様な造りの建物が並び、屋根の色などはほとんど全て同じ、という事が多いです。特に、ヒースロー空港に降り立つ前に、上空から飛行機でロンドン郊外を見ていると、ほとんど同じ色の屋根が、ずらっと延々に水平線まで続いていることが分かります。この時、「やはり日本とは文化が違う。」と感じます。この違いの大元は、先程も言ったように、「長い歴史を持つ石造りの家が主流である」というところからきていることは間違いないと思います。皆さんもイギリスに行かれた際には、是非家々を眺めてみてください。「日本とサイズが同じか違うか。」「庭はどのくらいの大きさか。」「ガレージがあるのか無いのか。」このような点を実際に見て楽しんで頂ければと思います。

このように、家々の「色」や「造り」が似ていると、街の景観に「統一感」が生まれ、非常に美しい街並みになることが多く良いですね。加えて、「集落の真ん中には教会が建っている」というような共通の造りがあり、何処に行っても本当に美しいです。
また、イギリス人は本当に庭弄りが好きで、皆さん本当に丹念に綺麗にしています。それぞれの家には庭の区画があるわけですが、どんな小さな区画でも何か手を入れているという事が多いです。例えば、人が住んでいるにも関わらず、玄関脇の花壇にしてもいいような、ちょっとしたスペースが荒れ放題になっていると、恐らく周りの目が気になるからだと思いますが、イギリスの人々はしっかりと手入れを行っています。このような文化を持っているため、町の郊外には、所謂DIYショップの、ガーデニングの部門だけに特化したような大型店が必ずあります。

このように、イギリスの皆さんはせっせと庭仕事をされるわけですが、家々だけでなく、町中の所謂電信柱からフラワーポッドが提げられている光景を目にします。これは自治体がやっているわけではないのですが、他にも植え込みがあちらこちらにあったり、公園内の花々が「本当に毎日手入れしているのではないか。」という程綺麗に手入れされていたりと、そのような事が非常に多いです。特に芝生の部分は、「どのように手入れしているのだろう。」と思ってしまう程、よく手入れがされています。
私がよく行くケンブリッジ大学でも、芝生の区画は毎日のように専属のガードナーの方が芝刈りをしているくらいで、素晴らしいと思います。これら「イギリスの庭の造り方」というのは、私達日本人にも馴染みがあり、よく「イングリッシュガーデン」と言いますよね。これが日本の主婦の方々等にも人気なわけです。私自身も、いつか庭の事について詳しく知る機会を持ちたいと思っています。イギリスの庭は基本的に、大陸風の幾何学模様で敷き詰めるような造りとは違います。植物の自然に咲いている様をなるべく活かす形で、かといって荒れ放題ではなくアレンジしているという、日本で言えば「活花」に通じるような造り方をしており、私が見ていても非常に美しいなと思います。このように、イギリスと日本の間で近いものを、私は色んなところで感じています。
ちなみにイギリスでは、「庭」というものがあまりにも個人個人の生活の中に入ってきているため、優秀な庭を造った人が年に1度、自分が造った庭を公開するイベントというものが全国組織で行われています。その時期に合せて、あちこちの個人のお庭を見て歩くと楽しいということがありますね。これはイギリスの方々がいかに「庭」を大切にしているかよく分かるエピソードでもあります。

今日のまとめです。イギリスの家というのは、小さく古いけれど、住み心地の良い家というものをもっている。また、花に囲まれ豊かな暮しを送っているという事でまとめます。

分野: 異文化コミュニケーション |スピーカー: 鈴木右文

トップページに戻る

  • RADIKO.JP
  • ビビックスマホ