QT PRO モーニングビジネススクール

QT PRO
モーニングビジネススクールWeb版

FM FUKUOKAで放送中「QT PRO モーニングビジネススクール」オンエア内容をWeb版でご覧いただけます。
ポッドキャスティングやブログで毎日のオンエア内容をチェック!

PODCASTING RSSで登録 PODCASTING iTunesで登録 電子書籍で記事を読もう! EPUB

ブログ&ポッドキャスト詳細

QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > 担当する科目紹介:国際経営 (国際経営、国際物流/星野裕志)

担当する科目紹介:国際経営

星野裕志 国際経営、国際物流

13/08/13

九州大学ビジネススクールで担当する科目ということで、今日は国際経営の内容について紹介をさせていただきます。
 
 私たちの生活は、海外との関係なしに成り立たないことは言うまでもありませんが、そこでは多くの企業の活動があります。例えば、電力やガスなどを作るための海外からの原料の輸入、穀物などの原材料や製品の輸入、日本からの商品や技術の輸出もそうですし、情報や技術などの移転なども含まれます。そのようなグローバルに展開される企業活動について、そのプロセス、理論、経営環境、組織を中心に、国際経営の枠組みと戦略を体系的に捉えることを目的としています。対象となるのは、トヨタ、ホンダやSONY、ネスレや三星といった主に巨大な多国籍企業ですが、中小企業もその活動には含まれます。また自動車、機械、家電製品といった製造業だけではなく、商社、金融、輸送などのサービス産業なども、経済のソフト化にともなって、ますます活動が活発になっていることから、同様に対象としています。

 もともと国内だけで、事業を展開してきた企業が海外に進出することについては、多くの解決すべき問題があります。そもそも、なぜ企業は新しい市場を開拓するのか、目指すべき市場はどこにあるのか。新規市場に参入するにはどのような障壁があって、それらを克服する必要があるのか。国際経営にはどのような課題があって、企業はそれに対応していく必要があるのか。組織も、人材も、マーケティングを含めた戦略も、そこには数えきれないくらいの課題があるかと思います。これらの考え方は、グローバルな事業展開だけではなく、九州の企業が首都圏や他の地域に新たに進出する際にも、同じことが検討されることになりますので、国際経営は広く戦略論ということにもなります。

 この授業の特色であり、意識的に行なっているのは「双方向性」ということです。受講するみなさんからの発言、質問やコメントが重視されています。そのひとつが、ケース・メソッドといわれる教育法ですが、特定の企業の事例を読んで、「あなたなら経営者としてどのようにするのか」をディスカッションすることになります。その企業が置かれている状況を把握して、問題点を抽出しながら課題を分析し、現状を打開するためにどのような方法を取るべきかを考えて、ディスカッションをすることになります。おそらくみなさんが実社会や日々の業務で経験することをケースというバーチャルな世界で経験し、最適な答えを導き出すプロセスを繰り返す学習するということになります。単なる思いつきではなく、きちんと事実に裏付けられた考えです。たとえば、その会社の財務状態、人材や資本などの資源、強みと弱み、企業のおかれた経営環境を多角的かつ包括的に検討した場合に、何がとるべきベストの方法かということになります。経営知識の修得と経営管理能力の向上を目指すマネジメント・トレーニングです。

 例えば、ラジオ番組のリスナーの数が非常に減ってきているとします。その原因は、他局の番組がより魅力的なのかもしれないし、その番組が飽きられているかもしれないし、或いは、ラジオ自体が別のメディアに奪われているという可能性もあります。何が問題なのかを考えながら、さらに番組を魅力的にするためにはどうするべきかを考えます。これは誰もが日々仕事の中でやっていることですが、それを体系的に考えるのがケース・メソッドなのです。

 国際経営の全15回は、国際化のプロセス、理論、組織、マーケティングなど毎回異なるテーマのもとに授業が行われますが、そのうちの5回程度がこのケース・メソッドになります。
 
 もうひとつの特色は、外部からのゲスト・スピーカーに、2−3人来ていただき、具体的な企業や組織の事例をお話しいただき、その後に双方向のQ&Aを行っています。授業で学んだことを具体的な事例で確認することで、自分なりに理解を深め、さらに自分の問題意識に基づいて質問をすることで、腑に落ちることというのは非常に重要なことだと思います。今年は、建設業の海外展開というテーマで、海外事業に10数年携わられたご経験をお持ちの鹿島建設の部長さんに東京から来ていただいたり、グローバル人材の育成というテーマで、百道にある福岡インターナショナルスクールの前理事長においでいただきました。様々な分野で活躍している方々のお話を聞くことによって、実際に現場で起こっていること、求められていることも理解できます。生の声を聞くことも大変大切なことです。

 受講者のみなさんはとても優秀ですし、誰をあてようかと迷うほどに手が上がります。QBSの学生の平均年齢は34才くらいですし、電力、鉄道、金融機関、教育関係、製薬、飲料メーカー、自治体など所属する組織の多様さだけではなく、非常に多彩なバックグラウンドを持つひとたちがいます。

 いつも考えていることですが、そうなると担当する教員の役割は、オーケストラの指揮者ではないかと思うのです。つまり学部の授業では、先生が9割以上一方的に話しますが、ビジネススクールでは僕の役割は半分か多くても6割ではないかと思います。後の半分は、それぞれの業界にいる人が最先端の知識や経験を話してくれることを全員で共有し、さらに理解を深めていくということが最適ではないかと考えています。教員が書籍やインターネットで調べたことを語るより、はるかに説得力があり、かつ最新の知識ですから。

 指揮者は自分では音を出すことはできません。ただひとりひとりが演奏する素晴らしい音を引き出し、全体で美しいハーモニーを作り出すことが、私の仕事ではないかと思います。
  

分野: 国際ロジスティクス 国際経営 |スピーカー: 星野裕志

トップページに戻る

  • RADIKO.JP
  • ビビックスマホ