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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > 京セラの稲盛会計学(7) (日本の会計、国際会計、税務会計、監査論、コーポレート・ガバナンス、西洋・東洋思想と倫理、経営哲学/岩崎勇)

京セラの稲盛会計学(7)

岩崎勇 日本の会計、国際会計、税務会計、監査論、コーポレート・ガバナンス、西洋・東洋思想と倫理、経営哲学

13/08/06

これまで京セラの七つの会計原則のうち、四つをお話しました。稲森氏は、経営のために、次の「七つの会計原則」を示しています。
1 キャッシュベース経営の原則
2 一対一対応の原則
3 筋肉質経営の原則
4 完璧主義の原則
5 ダブルチェックの原則
6 採算向上の原則
7 ガラス張り経営の原則
今日は五つ目の「ダブルチェックの原則」についてお話しします。

(1) ダブルチェックの原則
ダブルチェックの原則というのは、あらゆる分野において誤りや不正を防止するために、1人でのチェックではなく、2人以上でチェックすることによって、人と組織の健全性を守るための保護メカニズムのことです。すなわち、1人でやると誤りや不正が起こりやすいので、他人の目でもう1回確かめるということです。そうすれば、誤りや不正は起こりづらいので、経営のあらゆる側面について、当事者以外の他人の目を入れようということです。

(2) ダブルチェックの原則の必要性
これが必要となるのは、人間は誤りを犯しやすいことと人間の心の弱い面が出ると不正等が起こるからです。不正等が起こるとその人を不幸にすると同時に、組織にとっても損失が生じますので、従業員等に不幸を起こさせないように、組織的に誤謬や不正を未然に防止するためのものです。昔から監査では、内部牽制制度があり、同様に従業員の誤謬や不正を防ぎ、業務の信頼性を守り、或いは組織の健全性を守るためにダブルチェックの原則を入れてきています。京セラらしいのが、従業員を犯罪者にさせない、従業員や経営者自身を守るために、ダブルチェックの原則を入れているという位置づけです。したがって、考え方が人間性悪説ではなく、日本的な性善説的な考え方に基づいて、犯罪者を作らせないための厳しい保護のシステムとしてダブルチェックの原則を実施しています。この場合、ダブルチェックの原則が厳格であればあるほど、組織や従業員等にとって優しいシステムであると考えています。

(3) ダブルチェックの具体例
例えば、現金を取り扱う人と記帳する人が同じ場合には、不正を行うことは容易です。初めは少額な不正でも、味を占めてくると金額が大きくなります。従って、現金を取り扱う人と現金の記帳をする人を分けます。また、金庫の鍵も必ず二人以上で金庫を開閉するシステムにします。これは、一見すると余計な人数が必要で不合理のようですが、結果的に不正等を防止する観点からは非常に合理的なものです。商品の購入も必要をする現場の人と発注する人を必ず分けることが必要です。

また、製造業では作業くずをくず屋さんに売りますが、製造量が多いところでは相当の量になります。従って、計量なども業者任せにしないで、担当者と担当者以外の人が現場に立ち会い正しく計量されているか、そして代金がきちんと受払されているかをチェックします。このようなことは細かいところですが、不正が起こらないような工夫が必要です。また、現金払いであれば全然問題ないのですが、売掛金や買掛金の管理についてもダブルチェックを行います。例えば、セールスマンが商品を掛け売りする場合、売掛金の発生を経理に報告し、それを別の人(経理部等)が管理します。

(4) まとめ
今日のまとめとしては、従業員等の誤りや不正を未然に防止することによって、人と組織の健全性を守るための保護メカニズムとして、ダブルチェックの原則を完全に守るということが大切です、ということです。

〔参考〕 稲盛和夫[2009] 『稲盛和夫の実学 経営と会計』日経ビジネス文庫


分野: 会計 |スピーカー: 岩崎勇

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