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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > マーケティング2000年代 (マーケティング/出頭則行)

マーケティング2000年代

出頭則行 マーケティング

13/08/02

これまで3回にわたり、「戦後の日本マーケティング史」を話してきました。
シリーズ最後日、第4回目の今日は、2000年から現在までです。

これまでと同様に、この時代のF1層を代表して、ラジオパーソナリティこはまさんの心象風景、心のつぶやきから始めたいと思います。こはまさんよろしくお願いします。


〈こはまさん〉
小さい頃から、「将来何になりたいか。」と尋ねられるのが私は嫌いでした。同様に、「あなたの夢は。」と聞かれることに常に恐怖を感じていました。実は私には、なりたいものが特別ありませんでしたし、夢といえるほどの大仰なものもありませんでした。しかし、そのことを事立てて言うことは、相手の期待を裏切るようで躊躇われました。将来は、経済的にも、精神的にも安定した、まあまあの生活がしたいというのが、恐らく本音に近いところなのですが、この本音というのも曲者で、自分自身何が本音なのか分かっていません。親や教師、先輩からは、私は世界で一つだけの花なのだから本当の自分を大事にして、私らしい生き方をすれば良いと、時に励まされ時に慰められるのですが、それが私には苦痛でもあります。なぜなら、私は、ずっと本当の自分に相応しい伴侶や仕事を捜し求め、追い求める旅人であったのに、未だ、納得の出会いが適わずにいるからです。この世界に私を待っている人や仕事は存在しているのか。それ以前に、本当の自分って何なのか。そう感じたりします。

〈出頭先生〉
ありがとうございました。この時代、2000年辺りから、広告業界では「広告が効かなくなった。」という嘆きが聞かれるようになりました。それは恐らく、不特定多数というのがいなくなってしまったことに起因すると思います。マスの時代は、マスの一員であることに安心感を求めたわけです。セグメントマーケティングの時代というのは、ライフスタイルを共有する仲間意識のようなものをすごく大事にしていて、そこに帰属したいという感じでした。そこからさらに進み、「私は私」となり、行き着くところまで来てしまった感があります。そういう層に対し、マスメディアを使った広告は非常に難しいわけです。メディアというのは不特定多数に網をかけるものであり、そういう意味で、広告が効かなくなったっていうのは、本当に実感だったと思うのです。そういう中で、「インターネット」が生まれました。そして、瞬く間にF1M1層の重要なツールになっていきました。2010年くらいからは、この「インターネット」がソーシャルメディア化していきます。この背景を考えると、80年から2000年の「セグメントマーケティングの時代」は、ライフスタイル、価値観、生き方にラベルを貼っていくイメージでした。「この人は積極果敢な人」といった具合に。「あなたはこういう人なのですよ」とラベルを貼ってそれをもとにマーケティングをしていきました。「私は私だ」ということになってくると、そのラベルへの拒否感が非常に大きくなっていきます。つまり、「自分はラベルを貼られるような非個性的な人間じゃない」という人が増えたわけです。例えば、「あなたは外交的で、積極的で新しいもの好き」というラベルを貼られたとして、そういう自分もあるかもしれませんが、そうでない自分も恐らくいるわけです。仕事の中の自分は積極的であるが、家では内向的であるような感じです。自分というのは、多面的なのです。どちらが本当か、分かりませんよね。

人間は多様かつ多面的で、本当の自分がいくつも重なっているということであり、これをマスメディアや広告キャンペーンが捉えにくい時代になってきてしまっているというわけです。そこで「1to1メディア」である「インターネット」が出て、そのインターネットもソーシャルメディア化していった、こういう時代背景だったと思うのです。この時代の流行り言葉、時代を表す言葉には、「ニート」や、「アラサー」「アラフォー」「ツヴァイ活動」「無縁社会」とありますが、全て「お一人様」です。これらの言葉は皆、極私的ですよね。その分潔いようでもあり、孤独感にも溢れています。個人に行き着いたその先はどうなのだろうと考えますが、多くのF1M1層というのは、今まで地縁、血縁、職縁を嫌ってきたというのがありますよね。これらは「コミュニティ」です。コミュニティはある種のコミットメントを要求します。夫婦関係、家族、親戚付き合い、近所づきあい、職場、コミットメントを要求しないコミュニティはありません。そういったものから距離を置いてきたF1M1層が、「私は私」の孤独感なかで、今コミュニティを求めはじめているのです。「ソーシャルメディア」がそのコミュニティを形成する一つの場となっているのですが、ソーシャルメディアは「コミットメントをも要求するようなコミュニティ」を形成できるかどうかということが今問われていると思います。これは非常に重要なポイントで、私はとても注視しています。

今日のまとめです。2000年から現在までというのは、1to1メディアのインターネットが出現し、インターネットがソーシャルメディア化し、「私は私」の孤独なF1M1達がコミュニティに回帰しようとする時代です。

分野: マーケティング |スピーカー: 出頭則行

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