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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > 国際的にみた九州経済の国際化:九州とオランダ2 (国際経営論、経営戦略論、アジア産業論/永池克明)

国際的にみた九州経済の国際化:九州とオランダ2

永池克明 国際経営論、経営戦略論、アジア産業論

13/08/16

前回に引き続き、農業輸出世界第2位のオランダについてお話します。
前回は、トマトなどの野菜類を例に取り上げましたが、オランダはガーデニング用品やチューリップなどの花の輸出国としても有名です。オランダのチューリップはただ単に綺麗なだけではなく、外貨を稼いでいるのです。オランダの花卉(かき)産業の特徴は、前回述べたように、IT化が非常に進んでいる点です。したがって、農家が花を栽培するハウスやそこで使われる水、溶液、温度の管理にいたるすべてにおいて、ITを駆使したシステム管理が行われています(スマートアグリ)。また。首都アムステルダムの郊外にあるアールスメイヤーという名前の花市場では、世界に先駆けてコンピューター管理が導入されています。これによってなんと、収穫されたチューリップの花は、その2日後にはニューヨークで販売可能となっています。

欧州ではオランダだけではなく、それ以外にも、小国であるにも関わらず、農業輸出国として活躍している国があります。たとえば、農業学者の大貫一貫氏によれば、北海道と同じ面積のデンマークは、世界最大の豚肉輸出国です。日本で食べているハムやソーセージの原料豚肉の大半は、この国から来ています。デンマークには、乳製品や畜産品の農業協同組合があり、戦略的に乳製品を加工して、輸出戦略を推進しています。このようにデンマークは、農産物を輸出して外貨を稼ぐ、攻めの酪農業を行っているのです。

また北欧のフィンランドは、林業が盛んです。木材を家具などの原材料として輸出する一方で、自国でも家具を生産しています。またノルウェーは、水産物の輸出大国として知られます。スイスは、観光とマッチさせた農業が元気です。たとえばハイジのアルプスの山へ行ってチーズを食べるといった、いろいろな農業体験、酪農体験を提供しています。これらの国では、農業が単なる一次産業ではなく、情報や知識、他の産業との融合によって、「知識産業化」を成し遂げているのです。日本でも農業は六次産業化すべきだと言われていますが、ヨーロッパの各国は、これを本当に突き詰めて、ハイテク化した知識産業として農業を位置づけています。

翻って日本へ目を転じますと、パプリカの国内生産量が増えてきています。しかし、実は10年前までは、そのほとんどを韓国からの輸入に頼っていました。韓国は、例のアジア通貨危機(1997~98年)以降、IMFの管理下に置かれ、国自体が事実上、破綻している時代がありました。当時の金大中大統領は戦略的な農業振興策を実施し、農業経営者あるいは企業農家を育てることを目的に財政資金を投下し、オランダにならって多数のハウスを建てました。そしてパプリカを生産し、日本市場をターゲットに定め、日本の業者をも巻き込んで輸出をはじめました。このように、農業について日本が学ぶべき国には、ヨーロッパの小国だけでもなく、お隣の韓国もあるのです。日本は、そして九州は発想を転換して、マネジメントのできる人たちを農業に呼び込んで、攻めの農業を考えた方がよいでしょう。

今日の話をまとめます。
オランダの花卉(かき)産業では、IT化が進んでいます。ヨーロッパではオランダ以外にも、農産品の輸出大国となった小国が数多くあります。これらの国々で共通しているのは、農業が単なる一次産業ではなく、情報や知識、他の産業と融合化させた「知識産業化」を成し遂げていることです。九州もこうした方向に舵を切るべきです。

分野: アジアビジネス 国際経営 経営戦略 |スピーカー: 永池克明

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