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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > 国際的にみた九州経済の国際化:九州とオランダ1 (国際経営論、経営戦略論、アジア産業論/永池克明)

国際的にみた九州経済の国際化:九州とオランダ1

永池克明 国際経営論、経営戦略論、アジア産業論

13/08/15

今回は台湾に続き、オランダの国際化と農業を取り上げたいと思います。アメリカやオーストラリアは広大な農地を持っているから輸出が可能。しかし、国土の狭い日本はとても輸出でアメリカやオーストラリアには太刀打ちできない、という意見が多いです。ところが今日とりあげるオランダは面積、人口ともに九州とよく似たサイズ(面積は41,864平方キロメートルで日本の九州とほぼ同じ。人口は1,653万人(九州は1326万人))。それでいてオランダはアメリカに次いで世界第2位の農産物輸出国であることをご存じだろうか。

オランダは昔から貿易通商国家で、金融や流通を中心としたサービス産業のほか、天然ガス、食品、電気、化学、農業などを主な産業としています。オランダのGDPの9.4%を占める農業活動の中心は酪農や園芸で、およそ65万人以上が農業に従事しています。お隣のドイツのほか、EU各国へ農産物を輸出しています。こうした状況の背景には、非常に質の高い農業教育や一流の研究、実践的なアドバイスを農家へ供給する効率的なシステムがあります。これらをもとに、オランダ農業の生産性は、ここ数十年の間に飛躍的に発展しました。たとえば、トマトなどの野菜類は、高さが6メートルぐらいのビニールハウスで育成され、その育成管理はコンピュータによって管理(これをスマートアグリという)されています。アメリカに次ぐ農産物輸出大国となったオランダは、ハイテク農業に力を入れているのです。コンサルタントが参加し、スマートアグリについて様々なアドバイスをしています。その対象はトマトやパプリカなどの、戦略的な輸出農産物です。オランダ式ハイテク農法であるスマートアグリ農法は、いまや世界の規範となりつつあります。ですから、国土が狭いから農業でアメリカやオーストラリアに全く歯が立たない、とあきらめる必要はないということです。

一方、日本の場合は、国内でつくられた農産物のほとんどが国内市場向けです。しかし日本国の人口は頭打ちですので、国内市場ばかりを相手にしていては農業の再生はできません。しかも農業人口の平均年齢は67歳ですので、高齢化が急速に進み、後継者がなかなか育っていないのが現状です。
隣接する東南アジアや中国では、これから人口が急増しますので、日本がもしオランダ式のスマートアグリを採用すれば、これまでのITやハイテクの技術を用いることで、農産物の輸出大国になる余地は十分あります。九州は、日本の農産物生産量の二割を生産する農業地域です。半導体や自動車に関しては、日本全体の一割を占めていますが、農業では二割経済の状態にあります。したがって、九州における農業の潜在能力は非常に高いのです。これを生かして、オランダをお手本にして国際化を進めて行けば、農業は成長産業になりえます。

今日のお話をまとめます。
オランダは、九州と同じ面積、人口を持ちながら、アメリカに次いで世界第2位の農産物輸出国です。一方、九州の農産物のほとんどが国内市場向けであり、このままでは今後増加を期待できません。そこで日本の、そして九州の農業は発想を転換して、世界を視野に入れて、持っているハイテクを農業に活かし、積極的に攻めの農業を推進していく必要があります。

分野: アジアビジネス 国際経営 経営戦略 |スピーカー: 永池克明

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