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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > 国際的にみた九州経済の国際化:九州と台湾 (国際経営論、経営戦略論、アジア産業論/永池克明)

国際的にみた九州経済の国際化:九州と台湾

永池克明 国際経営論、経営戦略論、アジア産業論

13/07/25

今日は、九州を仮に一つの国家として考えてみて、似たような国との国際化の違いを見てみたいと思います。かつて九州のGRP(域内総生産)は、韓国、ロシア、オランダの国内総生産に匹敵していました。今や台湾、ポーランドやノルウェーと同格となっています。ここでは台湾と九州を考えたいと思います。

一見よく似た島同士です。面積では九州3万9千㎡ vs.台湾3万6千㎡、域内総生産額についても九州3.9千億ドルvs.台湾4.2千億ドルと、よく似通っています。

しかし、国際ビジネス面において大きく違っています。輸出額は九州0.9千億ドルvs.台湾2.7千億ドル、輸入額でも九州0.8千億ドルvs.台湾2.5千億ドル。つまり、台湾は九州の約4倍以上と大きな差をつけています。さらに両国に進出して来た外資系企業数に至っては、九州の105社に対して、台湾の2万4753社と、圧倒的な違いが現れています。台湾には、Apple社やDellコンピュータといった米国一流企業のほか、東芝や日立、シャープ、ソニーも入っています。台湾は世界中に輸出をして外貨を稼ぎ、経済成長を進めているわけです。人やモノ、金あるいは情報を、海外から引っ張りこむことで、経済成長力が上がります。国際化という面からすると、ものすごく大きな違いがあるのです。

どうしてこのようになったのでしょうか。これまで九州は幸いなことに、世界第二位のGDPの国内市場があり、ここで商売をしていけばどうにかなっていました。一方、台湾の国内市場はものすごく狭く、九州と同じくらいのマーケットしかありません。そこで、早い時期から世界中にビジネスチャンスを広げて、稼ぐしかなかったのです。政府からはじまって、産官学全部が、海外に市場を求め、必死になって開拓しました。また、日本からものづくりを学んだほか、アメリカへ留学生を送りだしました。アメリカのビジネススクールで勉強した学生が台湾に戻り、エイサーや、ホンハイ、TSMCの経営者となり、活躍し、九州を追い抜いてしまったのです。台湾だけでやるのではなく、世界のトップ企業をたくさん呼び寄せて、そことうまく組んで、両方の力をお互いに活用しながら伸びてきました。このように台湾は、非常に開放的なかたちをとってきました。

九州はこれまで、東京や大阪といった国内市場だけを相手にしてきましたが、少子高齢化がすすみ、経済規模も縮んでいる以上、段々沈んで行く島に乗っているだけの状態です。これではうまく行くわけがありません。したがって地理的に一番近いアジアへ輸出して外貨を稼いだり、アジアの消費者の販売したりといったことが、まず必要です。第二に、九州には観光資源もあれば全国で第二位の農業資源もあり、さらには伝統産業などもあります。これらをうまくブランド化させ、アジアの人、モノ、金を戦略的に呼び込み、外貨や雇用機会を獲得する仕組みを作りださないといけません。もちろん今は、九州の政官学がそうやって頑張りつつありますが、これからさらに一層、そうした国際化に関する仕組みづくりに努力を傾注していかなければなりません。同時に近隣諸国との交流を日頃から密にして行くことも、今以上の努力を要します。

今日のお話をまとめます。
九州がこれからさらに成長するためには、国内市場に頼るだけでなく、海外に活路を求めることも大事だと思います。アジア市場へ九州の産物を輸出して、また、世界中の人、モノ、金を呼び込むことで、外貨や雇用を獲得して行かなければなりません。つまり、輸出戦略と海外から呼び込む戦略、アウトとインの両方の戦略が必要なのです。

分野: アジアビジネス 国際経営 経営戦略 |スピーカー: 永池克明

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