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ロシア

村藤功 企業財務 M&A

13/07/19

今日はロシアについてお話しします。日本人はほとんどの国へビザフリーで入れるのですが、ロシアへはなかなか行けません。ロシアに入国するためのビザを貰うには、ロシア人からインビテーションレターを貰う必要があります。入ってからも警察へ行ったりしないといけないので、訪問する人は多くありません。また、未だ平和条約もきちんと結んでいないのです。

第二次大戦後の冷戦時代には、アメリカとソ連が最大の対立軸だったことからもわかるように、ロシアはとにかく大国です。中国やアメリカの面積が日本の25倍であるのに対し、ロシアの面積は45倍に達します。人口は、日本より少し多いくらいです。

こうした大国ロシアの行動はあらゆるところへ影響を与えるので、私も実はロシアへ行ってみたいと考えていました。去年大連の東北財経大学の設立60年祭で大連に呼ばれたときに、アムール大学の人たちと出会いました。彼らに、アムール大学でセミナーをやるからインビテーションレターを出してくれるようお願いしたところ、それで了承されまして、ついにロシアへ行くことができました。

12月に行ってきたのですが、気温は零下20~30度、歩くのから大変でした。ウラジオストックを訪れました。トヨタやマツダの工場があるそうですが、新潟港あたりからやってくる中古車が、一番多いように見えました。ロシアはヨーロッパでは、ドイツに次ぐ第二の自動車市場となっています。

ウラジオストックは不凍港だと思っていたのですが、凍り始めていました。ロシアはウラジオストックをとった後にさらに南下し、満州を巡って中国対ロシア対日本の三国間の戦いとなりました。ロシアはとにかく、海が凍らない場所に行きたかったのです。戦後アメリカは、朝鮮半島より先に日本を分割しようとしました。北海道と東北地方をソ連へ、九州をイギリスへ、関東をアメリカが統治するという計画もあったのです。ところがソ連がすごい勢いで朝鮮半島を南下してきたこと、共産主義に対して不愉快だという声がアメリカであがったことから、日本でなく朝鮮半島を分割することにしました。ロシアはとにかく南下したかったため、千鳥列島から北方四島あたりにどんどん下りてきました。ウラジオストックの博物館に行くと、その際の南下の様子を示した地図がみられます。ロシア側は四島を自分たちのものだと言っていますが、日本の方は四島返還を求め、交渉は簡単には決着がつきそうにありません。

戦後60年も経っているにも関わらず平和条約を結んでいない状態は異常ということで、プーチン大統領と安倍総理は先日、平和条約を結んで協力して行こうという点で合意しました。日本側はこれまで、四島返還を叫んできましたが、60年たっても一島も還ってきていないことを考えると、本当にそのように言わなければいけないのか考えものです。四島の中身はロシアになってきていますし、設備投資も注ぎ込み始めています。既に、ロシア人が住むためのインフラができあがっているのです。ひょっとしたら二島くらいで手を打った方がいいのではないかという話になる可能性も踏まえた上で、これから交渉の場が設けられて行きそうです。

その交渉の場においては、経済も関係してくるでしょう。ロシアはBRICsのひとつで、ものすごい高度成長を果たしかけました。昨年までは10%程度の成長率で経済成長を続けていましたが、皆さんご存じのようにヨーロッパの状況が悪くなり、ロシアが頼っているエネルギーの価格が下がったために、ロシア経済は不況に陥っています。金融危機の後に中国やインドはそれなりに成長しましたが、ロシアではそうもいかず、プーチン大統領は辞任に追い込まれました。しかしプーチン氏は再び大統領に復活し、長期政権を目論んでいます。新しい運動組織を作り、次期大統領選挙を再び目指し始めたところです。

今日の話をまとめます。
ロシアの発展は、エネルギーやヨーロッパ市場に相当頼ったものです。ヨーロッパとエネルギーが駄目になったことで、突然成長が止まるという、困った状況に陥っています。北方領土返還交渉の背景には、ロシア側の経済的な事情もあります。今後どのような展開をみせるのか、楽しみに見ておきたいものです。

分野: 財務戦略 |スピーカー: 村藤功

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