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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > マーケティング史 (マーケティング/出頭則行)

マーケティング史

出頭則行 マーケティング

13/07/30

今日から、4回に渡り「日本のマーケティング史」についてお話します。

戦後1945年から現在に至るまでの日本のマーケティングの歴史を概観してみたいと思っています。中々チャレンジングな試みになるわけですが、その軸となるのは「F1M1」という、コミュニケーション業界にある言葉です。F1というのは、Female(女性)のF、M1というのは、Male(男性)のMを表しています。年齢層でいうと20歳から34歳までの層で、視聴率とか聴取率では一番大事な層、即ち市場を牽引する層だと言われています。「この人たちがどのように思われたかったのか?」「帰属意識はどうだったのか?」そういった彼ら彼女らの心のつぶやきのようなものを通して、日本のマーケティングの歴史を語ろうと思っています。

大きく分けると、1960年から80年代が第1期、80年から2000年を第2期、2000年から現在までを第3期という形で分けているのですが、「戦後1945年から1960年まではどうなんだ?」という疑問が当然あると思います。今から50年以上前の話になるわけですが、敗戦直後は配給制度というものが存在しました。お米や塩といったものは配給されていました。しかし、そのような配給だけでは全く間に合わなかったため、「闇市」ができたのです。人々は「闇市」に出かけ、自分達の着物といった財産を売り、食べ物に変えるといった具合でした。戦後直後はそのような時代で、「統制経済」が随分長く続いておりますし、基本的に1960年くらいまでは物不足の時代だったのです。

モノが不足しているということは、モノが出れば簡単に売りさばけてしまう時代でもありました。「マーケティング」には様々な定義があるのですが、「売れる仕組みを作る」というのがマーケティングの基本です。そもそもモノ不足の時代は、モノがあれば売れていくわけです。言い換えれば、マーケティング的な思考がそこまで要求されてなかった時代なのです。私が大学を卒業したのは1970年なのですが、大学に「マーケティング」という科目はありませんでした。それに最も近いもので「配給論」や「分配論」で、この時代は、いかにモノを配給、分配することが大事だったか、わかります。

これが1960年以前を「日本のマーケティング史」に入れていない理由の1つになります。更に、マーケティングという概念は、60年代の後半にアメリカから日本に入ってきました。マーケティングという用語が適切な日本語訳もないまま日本に定着しはじめたのは70年代初頭です。

「売る」という行為、すなわち「セールス」はいつでも必要です。しかし「うまく売ること」、例えばディスカウントやキックバック、すさまじいプロモーションをしなくても、売れるような仕組みを考えていくことが「マーケティング」になります。前述の通り、この「仕組みづくり」は、1960年以前の時代ではあまり要請されてなかったため、今回の話は、1960年から始めるということになります。

ちなみに私が「マーケティング」に興味を持ったきっかけは何かとの質問ですが、私の学生時代には「マーケティング」という言葉が無かったこともあり、当初は当然興味を持っていませんでした。私は文学部卒なのですが、その頃は文学部卒だと、「学部不問」という所しか求人がありませんでした。経済や法律と違い、新聞社や雑誌社、広告業くらいしか「学部不問」というのがないわけです。当初、新聞記者になりたいと思いましたが、落ちてしまいました。その後、雑誌の編集者になろうと思いましたが、新聞社と同様に落ちました。これらは非常に狭き門なのですね。ですから、「広告業だけ入社試験に落ちなかった」というのが、真相です。つまり、「マーケティング」がことさら好きだったわけではありません。そういった場合でも、長くやると仕事のほうが自分の能力を見つけてくれるようなこともあり、今の生業になってしまったというようなことになります。

次回からは、「1960年~1980年」、「1980年~2000年」、「2000年~現在」まで3期に分けて、「日本のマーケティング史」を概観していきます。その中でも、冒頭にお話した「M1層F1層」という、20歳から34歳の世代に視点を当てて概観していこうと思います。

分野: マーケティング |スピーカー: 出頭則行

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