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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > 日本の広告産業モデル① (マーケティング/出頭則行)

日本の広告産業モデル①

出頭則行 マーケティング

13/07/15

今日は、日本の広告産業モデル、広告産業の特質についてお話しします。広告産業は日本の場合、戦後70年程度、アメリカの場合でも100年くらいの、比較的歴史の浅い産業です。日本の広告産業はとても特異な独特の発展をしてきたので、今日はその辺をお話したいと思っています。

広告産業には、「広告主(=スポンサー)」「広告代理業(=エージェンシー)」「媒体(=メディア)」という3つのプレイヤーいます。今日は日本の広告代理業の特質についてお話しします。
みなさんは、日本のエージェンシー、広告代理店というと「電通」や「博報堂」といったところを思い浮かべると思います。では、アメリカの広告代理店で思い浮かべられるようなところはあるでしょうか。有名なところでは、「マッキャン・エリクソン」「ジェイウォルター・トンプソン」「ヤング・アンド・ルビカム」「レオバーネット」といった代理店があります。日本の広告代理店の「特質」はこの「名前」にあらわれています。例えば「電通」の社名は「電報通信社」に由来します。一方、アメリカ生まれのエージェンシーの「マッキャン・エリクソン」は人名です。他にも「ヤング・アンド・ルビカム」も「ヤング」と「ルビカム」という人が作ったエージェンシーなので、「ヤング・アンド・ルビカム」という社名なのです。「レオバーネット」も同様で人名です。この点で日本とアメリカは随分違います。日本は「電(報)通(信社)」という、ある種の業態を示しているのに対し、アメリカのエージェンシー名は人の名前からとっているのです。
「電通」について話しますと、戦前は電報を使い、新聞社にニュースを売っている会社でした。ニュース配信会社の共同や時事は電通の兄弟会社でした。戦前の電通は共同・時事のように、新聞社にニュースを売っていて、新聞社はお金の換わりに新聞のスペースを提供したのです。一種の物々交換のような形ですね。新聞社がスペースを提供すると、そのスペースをもらった通信者側は、そのスペースを埋めるため「広告主」を探してくる必要がありました。ニュース通信社による広告業の兼業がはじまります。これは、現在に続く非常に大きなDNAになっています。というのは、まず、スペースを埋める必要があるのですが、広告主を探す際、広告主をえり好みできませんよね。例えば、自動車業界で言えば、トヨタだけでなく、ホンダ、日産、三菱、マツダも扱うことになります。一方、アメリカの代理店の多くは、企業の宣伝部が独立したようなものです。つまり、スポンサーサイドから生まれたと言えるところが多いわけです。或いはアーティストや、コピーに自信のある人間が起業したケースもあるでしょう。それらの創立者の名前を取ったのが、今のエージェンシー名の殆どです。つまり「レオバーネットさん」や「ヤングとルビカムさん」が創立者なわけです。企業から宣伝部がスピンオフした広告代理店の場合、例えば石鹸会社から独立した場合は、石鹸会社の広告をやるわけですから、「他の石鹸会社は扱わない。」というようなことになります。また、パートナーを選んだ時、パートナーもクライアント、つまり広告主を持ってきます。例えば、パートナーが自動車クライアントを持ってきた場合、競合の自動車は扱えません。
このような背景があって、日本の大きな代理店は、「1業種多社」を扱うことになりました。アメリカでは、「1業種1社」ということになりました。これがまた大きな代理店間の特徴の違いを生み出していくのです。何社も色々な企業を扱っていると、それらの企業の様々なニーズに応える必要があります。ある企業は、PRをやりたい、ある企業はイベントをやりたい、そういった様々な広告主のニーズを日本の広告代理店は1社でやれるように取り込んでいきました。言い換えると、種々の機能を1社にまとめ、「総合化」しました。そのため、日本の広告代理店は商業コミュニケーションのデパートメントストアのようになっていくわけです。一方アメリカの広告代理店は、「専門化」してきます。アメリカでは、コミュニケーション・コンセプトとクリエーティブを専門とするブランド・エージェンシー、販促を専門とするセールスプロモーション・エージェンシー、PRエージェンシー、媒体の売買に特化するメディア・エージェンシー、そういったふうに分化していくわけです。

ここまで、日本、そしてアメリカのそれぞれの広告代理業の違いというのを比較してきましたが、続きは次回お話します。
今日のまとめは、「日本の代理業のDNAはメディアブローカーから生まれたことにある」ということになります。

分野: マーケティング |スピーカー: 出頭則行

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