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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > LCCとネットワーク型航空会社① (国際経営、国際物流/星野裕志)

LCCとネットワーク型航空会社①

星野裕志 国際経営、国際物流

13/07/03


 九州大学にいると、飛行機がひっきりなしに上空を飛んでいるように感じますが、福岡空港を離発着する飛行機の頻度、飛行の間隔はどのくらいだと思いますか。

 以前に福岡空港は滑走路一本にも関わらず、朝晩のピークの時間帯には、東京の山手線の外回りの電車並みの頻度で運航されていると聞いていました。今回改めて調べてみて驚きました。8時から9時までの1時間で、離陸17便、着陸15便、合わせて32便ですから、1分53秒に一度ということになります。ちなみに山手線外回りの時刻表を調べてみたところ、通勤時間帯の朝7時と8時台は両方1時間に24本の電車が運行されています。つまり、ラッシュ時に2分半に一回安全運行されているのも驚異的ですが、福岡空港はそれを大きく上回っているということになります。

 その理由としては、乗員乗客500人の輸送能力をもつボーイング747を国内で運航しているのはもはやANAだけであり、大量輸送から中小型機による利便性の高い多頻度輸送に変化してきたのもひとつですし、新たな航空会社の参入もその原因かと思います。例えば、国内線だけを見てみても、JALとANAの2大航空会社が福岡・羽田空港間などの主要幹線を独占している時代はもう過去のものであり、JAL、ANAグループを含めて、国内線だけでも12社の航空会社が福岡空港に参入しています。国内のLCCの代表的な航空会社といえば、スカイマーク、ピーチ・アビエーション、エアアジア・ジャパン、ジェットスター・ジャパンの4社ですが、そのすべてが福岡空港に乗り入れています。

 今日と明日はこういったLCCと呼ばれる航空会社のお話です。LCCというとよく「格安航空会社」と言われますが、それは必ずしも適切な訳語ではないかもしれません。というのは、LCCはロー・コスト・キャリア、運航コストを低く抑えた航空会社のことであり、その結果として低運賃を提供しているからです。

 LCCの対局に位置するのが、ネットワーク型航空会社といわれるもので、JAL、ANA、スターアライアンスなどに所属する航空会社で、その多くは今までそれぞれの国を代表するような航空会社=ナショナル・フラッグ・キャリアと呼ばれますが、それらのほとんどがその形態でした。起点となる空港を中心として、放射状にネットワークを構築しています。

 航空会社は巨大な投資をして、価格の高い航空機を購入し、空港などの乗り入れ地点を整備する装置産業ですし、パイロットや整備士などの専門性の高い人材を養成する必要があります。ただ観光客もビジネス客も、航空会社が自ら主体的に需要を創出することが困難だとすれば、いかに生産性を上げて収益を最大化するかということになります。ネットワーク型の航空会社の努力としては、機材を安く調達することや人件費を下げることや集客力を高めるということが考えられます。それに対して、LCCはそれらの固定費の削減に加えて、徹底的に運航コストを下げながら顧客を取り込む努力をしています。これが低コストの航空会社ということになります。

 まず運航においては、機材の稼動時間を高めることや航空需要のある特定の2地点間に航空路を設定すること、比較的着陸料や空港利用料が低い空港やターミナルを選択すること、737型機などに使用機材を統一化することで整備やオペレーションを標準化して費用を下げることが考えられます。次に、サービスにおいては、狭い座席間隔で一機あたりの輸送能力を高めたり、毛布や飲み物やオーディオといった機内サービスは提供しないか有償化することが挙げられます。手荷物預かりやチケット発券の有料化もあります。つまり徹底的な効率化と付帯サービスの有料化で、コスト削減を可能にしています。

 それではコストを最大限に絞り込んで大丈夫だろうかと誰もが考える安全性については、国土交通省や航空機メーカー、IATA、ICAOなど国際機関などの基準に準拠しないと運航が許可されないので、問題は少ないと思います。ただ今までの国内のLCCを見ていると、最大の問題は運航の柔軟性や定時運航にあるようです。それは保有する機材が限られていて、稼働時間が極めて高いので、一旦何かのイレギュラーが発生すると、すべてのフライトに影響して、遅延が発生することでしょう。そう考えると時間的な制約と低運賃の利点を考えながら、どのように選択するかですね。

 今日は、徹底的な効率化と付帯サービスの有料化で運航コストを抑えた航空会社LCCについて、従来の拠点空港を中心としたネットワークを持つネットワーク型航空会社との対比で説明しました。

分野: 国際ロジスティクス 国際経営 |スピーカー: 星野裕志

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