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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > アメリカの財政運営 (企業財務 M&A/村藤功)

アメリカの財政運営

村藤功 企業財務 M&A

13/06/06

今日は、アメリカの財政運営についてお話します。

日本だけでなくアメリカの財政赤字も深刻で、有利子負債や国債の発行が大きくなりすぎて困っています。2011年には、アメリカが債務不履行に陥るのではないかという話があり、大騒ぎとなりました。とりあえず債務上限を引き上げて凌いだものの、引き上げた上限の期限がこの5月に来ました。

2011年に財政管理法ができて、このまま赤字が続くようであれば、すべてを一律に強制削減することになっていました。しかしこれに対していろいろな人たちが反対を言い始めたため、オバマ大統領も一律削減をしないことにしました。

そもそもアメリカでは、軍事に多大なお金が費やされています。軍は、強制削減条項が適用されると、世界の平和を維持することはできないと言い、大きな予算を継続して請求しています。アメリカとしては、まさか債務不履行に陥るわけにはいかないので、上院とオバマ大統領の間でいろいろな駆け引きが続いています。とりあえず、債務の上限についての合意をとりつけないといけないのですが、それまでにどの程度の歳出削減を約束させることができるか、これから見物です。

オバマ大統領はこれまで、医療保険改革をすすめてきましたが、共和党はそれを撤回させることで歳出削減を行えるとしています。もともと共和党は小さな政府で、民主党は大きな政府を目指しています。民主党は、弱い人に優しくし、お金持ちから山のように税金を取ろうとします。それに対して共和党は、アメリカの自由を盾に反対しています。共和党は、金持ちからお金をとる政策をやらせないために、医療保険改革に反対しており、この後2ヶ月は争いが続くとみられています。

債務の上限については、5千億ドルくらい引き上げることで議会は承認しています。これによって、とりあえず7月くらいまでは、お金の支払いに支障ありません。しかし8月以降に問題が生じるので、7月までに何らかのかたちで債務上限の引き上げの合意にいたらねばなりません。そのために、共和党がオバマ大統領に対してどれほど譲歩を迫れるか、注視したいところです。

アメリカ政府にお金がないのは、民主主義や自由主義をつくるための、イラクやアフガニスタンにおける軍の駐留のための軍事費が大きかったためです。オバマ大統領は、これらを撤退させる方向で動きました。その結果、イラクからは大体撤退が終了し、アフガニスタンからは今年に1/3、来年に全撤退することとなっています。また医療費も、アメリカ政府の赤字に多く影響しました。何千万人もの国民を新たに医療保険に入れるために多額の金銭を用いたため、自分たちの税金を使われた自由主義の勝ち組であるお金持ちは怒っています。また、景気回復のためにも、多くのお金を必要としました。金融危機以降に失業者が山のように出て、3人に1人くらいは1年間職にありつけない失業者となり、平均失業期間は40週間に達しました。オバマ大統領は、2期目を勝ち取るために、景気対策として4千億ドル(40兆円)のお金を使いました。

日本でも地方自治体よりも国の財政が大変ですが、これはアメリカでも同じです。アメリカの州政府や地方政府の状況はたいしたことありませんが、連邦政府の状況は悲惨なものとなっています。日本では近年毎年40兆円程度の赤字となっており、足りない分は赤字国債を発行してしのいでいるので、有利子負債も増えています。

今日のまとめです。
アメリカの連邦政府では、4年連続して1兆ドルを超える赤字を出しています。債務上限の無効化期限が5月に来ましたので、これから2、3ヶ月かけて、新しい上限設定を行います。民主党と共和党の戦いの結果、どのようになるのでしょうか。

分野: 財務戦略 |スピーカー: 村藤功

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