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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > 知的財産権 (2)「特許制度(その1)」 (技術経営、科学技術政策/永田晃也)

知的財産権 (2)「特許制度(その1)」

永田晃也 技術経営、科学技術政策

13/06/18


 前回から知的財産権に関するお話をしていますが、今回から次回にかけて特許制度についてみておきたいと思います。

 特許制度とは、発明に関する権利を保護する制度です。この権利保護には、二つの目的があります。ひとつは、発明者に一定期間、排他的権利を付与することによって発明を刺激することです。もうひとつは、発明の公開を促し、技術を普及させることです。これを日本の特許法は、その第1条において「この法律は、発明の保護及び利用を図ることにより、発明を奨励し、もって産業の発達に寄与することを目的とする」と、表現しています。
 発明の権利が公的に認定されるためには、その内容が完全に公開されなければなりません。私的権利の発生と、保護の対象が公開されるということは表裏の関係にあるわけです。英語では特許をpatentと言いますが、patencyという語には「明白さ」とか「開放性」という意味があります。

 では、「発明」とは何でしょうか。これについて特許法第2条は、「この法律で『発明』とは、自然法則を利用した技術的思想の創作のうち高度のものをいう」と定義しています。
 この条文の中には、特許に関するいくつかの重要な要件が含意されています。
 まず、発明とは自然法則を利用したものであるということです。言い換えれば、自然法則と無関係な創作物は、特許権の保護対象にはならないわけです。
 つぎに、技術的思想の創作であるという定義が与えられています。ここで技術的思想であるということは、反復可能性や実施可能性があることとして解釈されています。また、創作であるということは、人間が考え出したものを意味しており、発見との区別を明示しています。

 具体的な特許要件は、29条に規定されています。
 まず、「産業上の利用可能性」があることです。つまり、実施することが不可能な単なるアイデアは、特許されません。
 また、「新規性」があること、つまり公然と知られていたり、公然と実施されているものではないこと(公知、公用でないこと)が求められます。
 容易に考え出すことができないような「進歩性」があることも、特許要件です。
 最後に「先願に記載されていないこと」という規定があります。これは、先に特許出願された発明の願書に記載されたものではないこと、という意味です。

 特許要件については、以上の他、特許法32条に不特許事由が定められていることを付け加えておきます。公序良俗に反する発明、例えば偽札作りの技術などは特許されないわけです。

 ところで「先願に記載されていないこと」という特許要件は、日本の特許制度が、先に出願された発明に優先的に権利を付与する「先願主義」の立場をとっていることに関連しています。これに対して、出願のタイミングに関わらず、先に発明を行った出願人に優先的に権利を付与する制度を、「先発明主義」といいます。
次回は、こうした特許出願の手続きについて概観したいと思います。


今回のまとめ: 発明を保護するための特許権の取得は、その内容を公開することと不可分の関係にあります。

 

分野: 知的財産 |スピーカー: 永田晃也

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