QT PRO モーニングビジネススクール

QT PRO
モーニングビジネススクールWeb版

FM FUKUOKAで放送中「QT PRO モーニングビジネススクール」オンエア内容をWeb版でご覧いただけます。
ポッドキャスティングやブログで毎日のオンエア内容をチェック!

PODCASTING RSSで登録 PODCASTING iTunesで登録 電子書籍で記事を読もう! EPUB

ブログ&ポッドキャスト詳細

QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > 国際経営について② (国際経営、国際物流/星野裕志)

国際経営について②

星野裕志 国際経営、国際物流

13/05/21

昨日は私がビジネススクールで担当している科目である国際経営について説明をしましたが、企業の戦略やその経営環境を分析する研究分野とお話をしました。

企業の戦略とはどのようなことかといえば、まずどこの市場を狙うのかと考えるのが第一歩ですし、どのような形態で参入するのかというのが次に考えられるかと思います。右ハンドルの自動車などやライフスタイルが近く、国内市場で販売される商品をあまり手直ししないで流通できる国を狙ったり、現地の市場の同業他社との競合関係、事業を展開するうえでのカントリーリスクを含む政治、経済、技術、社会状況を考えながら、詳細にターゲットを選定することになります。

昨日は、参入の形態として輸出、技術供与、フランチャイズなどの本国を中心とした海外対応と現地に子会社を設立して直接に現地参入する方法を説明しました。子会社を設置するとすれば、どのような機能を現地で展開するのかということが考えられます。多くの企業であれば、本国で生産した商品を現地で販売する子会社を設立から始まり、現地で販売ネットワークを構築していきます。現地の市場を見極めた上で、市場規模の拡大や成長性が見込めることになれば、次のステップとして現地で生産することが考えられます。国内よりも労働力の確保や人件費を含む生産コストに魅力があり、現地で得られるさまざまな経営資源に優位性があれば、現地での生産に踏み切ることになります。自動車や機械などを考えると、輸出に関わるコスト負担も重要な検討材料になります。

一方で、輸出について輸入制限や高い関税などの障壁がなく、商品のバリューに対して輸送コストが足かせにならないのであれば、現地で生産する必要は少ないということになります。

どのような商品を現地で販売するのかは、当然ながらとても重要な要素になってきます。今まで先進国市場を中心に販売をしている段階であれば、購買力や嗜好性、ライフスタイルや使用環境などの比較的近いということで、本国で生産される製品を持ち込むことで、大きな手直しは必要ありませんでした。

最近では、先進国市場での大きな成長が見込めないことから、多国籍企業の多くは、BRICsから開発途上国市場への参入を進めていますが、そうなると従来の先進国市場とはまったく違った考え方や発想で、商品や販売方法が企画される必要があります。先ほどお話したとおり、購買力、嗜好性、ライフスタイル、使用環境のすべてにおいて、異なるからです。

日本の企業でしばしばいわれることに過剰品質がありますが、開発途上国の市場での購買力を考えると、機能は簡素化しても価格を抑えることは必須となります。あるいは、開発途上国向けに、先進国ではボトル単位で売られているシャンプーやリンスを1回分の小袋に入れて売る、小分けモデルと言われる少量販売も、現地市場で浸透するためには検討が必要になります。近年開発途上国ではまだまだ停電が日常茶飯事であれば、停電に対応した家電製品が求められますし、最近のイスラム教の市場の成長を考えると、イスラム教徒に受け入れられる食品のハラル対応も必要になってきます。

このような戦略は、企業の内的な検討事項だと考えると、一方で最近のTPP をはじめとする経済連携協定や自由貿易協定などの拡大は、企業にとって脅威にも機会にもなる経営環境の変化です。つまり同じ市場を狙う競合他社の生産拠点が、これらの協定によって有利にも不利にもなるからです。

企業のグローバル展開に当たっては、内的な企業の優位性や劣位性を考えると同時に、常に変化する経営環境に対応していくことになります。そのような企業の戦略と経営環境の枠組みを考えるのが、私の担当している国際経営という分野です。

企業がグローバルな規模で事業展開において、どのような市場を対象にしながら、その市場に適した商品と販売方法を構想し、現地に子会社機能を展開させるのかという企業戦略と外的な要因である経営環境について、説明しました。

分野: 国際経営 |スピーカー: 星野裕志

トップページに戻る

  • RADIKO.JP
  • ビビックスマホ