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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > 戦後の株価の推移 (経済予測、経済事情、日本経済、経済学/塚崎公義)

戦後の株価の推移

塚崎公義 経済予測、経済事情、日本経済、経済学

13/05/10

終戦からバブル期まで、日本経済はおおむね順調に成長を続けました。日本企業も大きく立派になっていきました。したがって、株価も大きな流れとしては順調に上昇を続けていきました。こうした動きを、経済のファンダメンタルズに沿って株価が上昇した、と呼びます。
バブル期には、経済の実態からは説明がつかないほど株価が上昇し、日経平均株価は最高値で4万円に迫りました。株価が経済のファンダメンタルズからかけ離れた水準になったのです。金融が緩和されていたことなども影響していましたが、日本人が「日本経済は世界一だから株価が高いのは当然だ」などと自信過剰になっていた事が主因でした。バブルというのは、後から考えると「どうして不思議に思わなかったのだろう」と思うのですが、その時は皆が舞い上がっているので、不思議に思わないのです。

バブルが崩壊すると、株価は暴落しました。上がり過ぎた分が下がったことに加えて、景気が悪化したり金融危機が発生したりした事も、株価を下げる要因となりました。特に金融危機は、大手銀行の破綻などで制御が不能になって日本発の世界恐慌が起きるのではないかと心配する人もいたほどで、株式市場の投資家心理も冷え込みました。そして、金融危機の最悪期には株価は13000円、バブル期の3分の1の水準にまで下がりました。
その後、金融危機は政府や日銀などの必死の努力で何とか収束しました。金融危機から十数年が経過し、最近の銀行の状態は、当時とは比べ物にならないほど健全になっています。景気も、決して良いとは言えませんが、金融危機当時と比べれば、やはり比べ物にならないほど改善しています。
しかし株価は、短期的には上がったり下がったりしながらも、長い眼で見ると決して回復しているわけではなく、最近だいぶ回復したにもかかわらず、未だに金融危機の時と大差の無い水準で推移しているのです。これは何故でしょうか。考えられる理由を挙げてみましょう。

第一は、日本経済の長期的な将来性に関する人々の見方が弱気になった、という事が考えられます。金融危機当時は、たしかに経済も金融も混乱していましたが、「これはバブル崩壊による一時的な混乱であるから、遠からず日本経済は再び素晴らしい回復を遂げるに違いない。株価も再び上昇するだろう」と考えていた人が多かったのでしょう。しかし最近では、「日本経済は少子高齢化で長期的にも成長は見込めない。中国などとの競争も厳しくなるだろうし、財政赤字が解消する目途もない」と考えている人も多いので、株式投資をしようという気が起きない、という事はあるでしょう。

第二に、日本株に積極的に投資をしよう、という人が減ったという事が考えられます。日本人の個人投資家の多くは、過去に株式投資をして損をした経験を持っているので、「株式投資はこりごりだ」と考えている人も多いでしょう。銀行と企業がお互いの株式を持ち合うことも、昔に比べると随分少なくなっています。その分だけ市場に出回っている株式の量が増えているわけです。外国人投資家は、投資先を世界的な視野で決めていますが、彼等にとっては、十数年前に比べて最近の日本が占める地位は大きく低下しているでしょう。世界経済、特に新興国経済が目覚ましく成長しており、日本に資金を振り向ける必要性が下がっているからです。
しかし、最近の株価は、こうした理由だけでは説明がつかないほど低水準にあります。株価の正しい水準というものを求める事は困難ですが、少なくとも株価が一株あたり純資産を下回っている状態は不自然です。会社が解散した時に株主に戻って来る金額よりも株価の方が低いという事になるからです。そして、昨年11月までは、東証上場株の平均がそうした不自然な状態にあったのです。
こうした事が起きている原因として考えられるのは、「人々が株価は上がらないと思っているので株を買わない。だから株価が上がらない」という事です。株式投資をしている人の多くは、株価が上がるか否かを最重要に考えていますが、株価が上がるか否かは、他の投資家が株を買うか否かにかかっています。

現在の日本のように、20年間も株価が低迷を続けていると、投資家たちの間で諦めムードが漂います。「どうせ他の投資家は買わないだろう」と全員が思えば、誰も株を買わないので、実際に株価は下がるのです。
昨年11月までの株価低迷の原因がこうした事であったとすると、昨今の株価上昇は人々のムードを変えるかも知れません。
人々が「今度こそ他の投資家も買うだろう」と思うか、「やはり買わないだろう」と思うかで、株価の先行きが大きく分かれる事になるかも知れません。当面の株価の推移には要注目でしょう。

分野: 景気予測 |スピーカー: 塚崎公義

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