QT PRO モーニングビジネススクール

QT PRO
モーニングビジネススクールWeb版

FM FUKUOKAで放送中「QT PRO モーニングビジネススクール」オンエア内容をWeb版でご覧いただけます。
ポッドキャスティングやブログで毎日のオンエア内容をチェック!

PODCASTING RSSで登録 PODCASTING iTunesで登録 電子書籍で記事を読もう! EPUB

ブログ&ポッドキャスト詳細

QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > 2013ダボス会議に出席して② (国際企業法務/岡田昌治)

2013ダボス会議に出席して②

岡田昌治 国際企業法務

13/05/03


ノーベル平和賞受賞者であるムハマド=ユヌス氏は、昨年、ビル=ゲイツやスティーブン=ジョブズらとともに世界の12人の経営者に選ばれました。彼は、経済学者であり、経営者であり、ビジョナリストでもあります。社会の問題を解決することを目的とするソーシャルビジネスを提唱しており、自国のバングラデシュでは、貧困を解決するためにグラミン銀行を設立しました。

日本でも、様々な社会問題があります。ユヌス氏が来日して一番驚いたのが、毎年三万人という自殺者の数でした。「なぜこんなに裕福な国で、そんなに多くの人が自分で自分の命を絶つのか」と言われました。あるいは、独居老人の問題やいじめの問題もあります。こうした問題があるところでは、必ずソーシャルビジネスが成立します。ソーシャルビジネスは、社会貢献や国際貢献といったものとして捉えられますが、自分の身近なところから、誰でもはじめることができます。

先日開催されたダボス会議へ、ユヌス氏と僕は参加してきました。ヘンリー=キッシンジャーやジミー=ソロス、ビル=ゲイツ、ジェフリー=サックス、ジミー=ウェルスといった面々が、ユヌス氏とのミーティングを申し込んでいました。20数年前にベルリンの壁が崩れ、社会主義が崩壊しましたが、今度はリーマンショックによって資本主義がおかしくなっています。今回のダボス会議の「弾力性ある活力」というわけのわからないテーマが示すように、皆、今後の世界の方向性について迷っているのです。今回参加してみて、僕はボトムアップが今の世界にとって一番大事ではないかと考えるようになりました。要は、個人個人が、地球のために何かをやるというものです。その時には方向性が必要となりますが、ユヌス氏のソーシャルビジネスがそのうちのひとつを少なくとも示してくれるものと思います。世界の要人たちがユヌス氏の話を聞きに来たのも、そのためです。

なお、今回の日本からの参加者は、僕はカウントされませんが、73名でした。韓国からは、ユヌス氏と話をしたチェ会長率いるSKグループだけで55名の参加者がありました。国際的な場での日本の存在感をより示して行く必要があるでしょう。

ソーシャルビジネスは、日本においてこそしっくりくるビジネスです。といいますのも実は日本人は、昔からこれをやっていたのです。例えば、近江商人の三方良し(売り手良し、買い手良し、世間良し)の発想も、ソーシャルビジネスに含まれるものです。また、二宮尊徳の「道徳なき経済は阪大である。経済なき道徳は寝言である。」もまた、鋭く突いています。ユヌス氏のソーシャルビジネスは、道徳のある経済であり、経済のある道徳ですが、この点では日本が先立っていたのです。しかし現在の日本人の多くが、それを忘れてしまっています。明治維新や資本主義の流入を経て、いつの間にか経済市場主義のビジネスが当たり前と思うようになりました。一円でも多く稼がなければいけないという経営者ばかりです。このように経済市場主義オンリーとなってしまった日本ですが、我々が持っているもともとのDNAはそういうものではありませんでした。ユヌス氏のソーシャルビジネスは、日本人がもともと行っていた仕事のやり方、商売のやり方そのものなのです。

今回のダボス会議に参加し、ユヌス氏の存在感を再確認しました。社会問題を解決するビジネスを、僕は日本から進めて行きたいと考えています。

分野: その他 |スピーカー: 岡田昌治

トップページに戻る

  • RADIKO.JP
  • ビビックスマホ