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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > TPP交渉開始 (企業財務 M&A/村藤功)

TPP交渉開始

村藤功 企業財務 M&A

13/04/03

今日はTPPについてお話しします。野田政権の時に話はでていましたが、一向に進まず、いったん止まっていました。しかし先日、安倍首相がオバマ大統領と会談し、参加する方向で動き始めました。すなわち、「すべての関税の撤廃を話し合う」という原則を維持した上で、安倍首相が守らなければならなかった例外(「聖域」)を残すということで、交渉が開始されています。もっとも、正式な交渉開始のためにはアメリカの議会が日本のTPP参加に承認する必要があり、そのためには三ヶ月程度を要するため、6月に正式に交渉開始となります。今年、3月と5月、9月に会合を開き、10月のAPECの首脳会議で大筋合意し、2013年内には中身を決める予定にあります。したがって日本が交渉に参加できるのは9月会合からとなります。また、これまでの交渉で既に決定した事柄に対して日本がやいのやいの言っている状況ですので、どの程度日本が聖域を守ることができるのか、実際よくわかりません。自民党は農家の人たちから票を貰っているので、聖域なき関税撤廃となるのであれば交渉参加には反対と言っています。しかし、オバマ大統領との会合を前に、ある程度の聖域は認めつつ関税を撤廃するというかたちで交渉するという点での同意が自民党内であったのでしょう。

今回、一体何を聖域にしようとしているのか、皆さんご存じでしょうか。いくつかあるのですが、最も大事なもののうちのひとつが米です。今の若者はそうでもありませんが、お年寄りは米で生きてきた人たちですので、これを守ろうとしています。現状800%近い関税をかけていますが、私個人としては、今後交渉によって、500%から300%、200%、100%、50%、0%と段々と下げていってもいいのではないかと考えています。いまひとつが、砂糖です。これは、沖縄ではサトウキビが大量に生産されているためです。すなわち、沖縄に米軍基地を置いている手前、沖縄を保護する必要があるのです。米と砂糖を最優先としつつ、小麦や牛肉、乳製品をも聖域として日本は守る予定にありますが、場合によっては譲らざるをえなくなるかもしれません。米の関税を0にしないという点についてはアメリカも同意する可能性がありますが、現状では778%となっています。カリフォルニア米など、日本の米と変わらない美味しい米がありますので、もう少し下げてもいいのではないかと思います。徐々に国内の農業を強化しつつ、関税率を下げていくというかたちが一番望ましいでしょう。

そもそもなぜ日本がTPP交渉参加に向かったかといえば、ヨーロッパとアメリカが自由貿易交渉を始めたことが背景にあります。その中で製品の規格や産業の規制、農産物の品質基準といったルールを決めることになっています。TPPに日本が参加しなければ、欧米で決めた欧米ルールが世界ルールとなり、日本がルール決めに全く関与できない状況に陥ります。すなわち、あらゆる面で日本は関与できなくなり、日本の貿易においても貿易ルールを決められず、結果として日本の貿易は死んでしまいます。これを避けるために、日本はTPPに参加する判断をしたのです。

今日のお話をまとめます。私的には、TPPへは参加せざるをえない状況にあったと思います。聖域が存在するということは、これまで政府が国内農業を強くするための政策を十分に採ってこなかったことが原因です。今後、国内農業を強化する計画を立案し、進捗管理していくことが欠かせないようになってきています。

分野: 財務戦略 |スピーカー: 村藤功

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