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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > コモディティ化を考える① (マーケティング/高橋 幸夫)

コモディティ化を考える①

高橋 幸夫 マーケティング

13/04/22

今日は、コモディティ化についてお話しします。
コモディティとは、「一般商品」あるいは「日用品」という意味です。したがって、コモディティ化とは、
本来差別化されていて、非価格競争が展開されるべき製品やサービスが、企業など開発側、売り手側の技術的水準の同質化によって、同じようなレベルになってしまうこと、本質的な違いが少なくなることで生じます。本質的な部分で差異がないので、顧客の視点からすると、どのブランドをみても「同室的で似たり寄ったり」という状況になっています。

私たちの身のまわりでは、まず食品やトイレタリーなどのパッケージ・グッズにおいて、コモディティ化がはじまりました。その後、サービス分野へと広がっていきました。現在では、建設材やエンジンのような生産財、コンサルテーションのような高度なサービスさえも、コモディティ化しているといわれています。今日では、コモディティ化は無視することができない重要なマーケティング課題となっています。これは、コモディティ化をいかに企業として克服するかということがテーマとなっていることを意味します。

企業のマーケティング戦略は、競合他社との製品やサービスにおいてサービスを図り、非価格競争を追求してきました。ハーバード大学のレビット教授は、30数年前に、「差別化できない製品やサービスはない」と述べています。生産財でも消費財でも、さらにはサービスにおいても、他社との差別化は図れるというのが伝統的なマーケティング論理の出発点でした。しかし現在、コモディティ化は進行し、新たな論理や枠組みがマーケティングに求められるようになってきました。

コモディティ化が進めば、企業間の製品差別化が困難になります。差別化を図れない企業は価格競争にシフトせざるを得ません。そのような競争の結果、企業は体力を消耗することとなります。しかしマーケティングが上手な企業は、様々な視点からコモディティ化への挑戦を続けています。たとえばブランドの構築やソリューション発想、ソーシャルネットワークサービス(SNS)などを用いた顧客と連動した製品開発やマーケティングなどは、いずれもコモディティ化した市場におけるマーケティング対応といえるでしょう。

コモディティ化からの脱却に向けた新しい取り組みとして、ここ数年、社会的価値の提供による対応が注目されています。2010年、マーケティングの泰斗であるアメリカ・ノースウェスタン大学のコトラー教授らによって「マーケティング3.0」という概念が発表されてから、マーケティングに対する期待や意識が大きく変化し始めています。それによると、マーケティング1.0の段階は、製品中心のマーケティングでして、製品やサービスの機能的価値にフォーカスしていました。例えば自動車であれば、燃費や馬力、走行性などです。ところが市場の成熟化が強調され始めると、機能的価値だけではなく情緒的価値、あるいは人の感性に訴えるといった側面がクローズアップされるようになってきます。高級車なら、ドアを閉めた際に重厚感のある音が響いたり、パワーウィンドウが閉まる寸前にゆっくりとした動きになる工夫などです。これが、他社や他製品との差別化をコンセプトとした、マーケティング2.0の段階といえます。そしてマーケティング3.0の段階になると、機能的価値や情緒的価値に加えて、社会的価値が追加されます。要は、人間中心のマーケティングの時代に入ってきているということです。2011年に発売されたトヨタ「アクア」の場合は、先駆的なハイブリッドエンジンによる最高水準の燃費性能を訴え、同社の「プリウス」よりも小型で価格も抑え、経済的で環境にやさしい自動車に仕上がりました。この車は、2011年10月までブランド別では1位を走っていたプリウスの販売台数を超えて、これまで六ヶ月連続で1位を保っています。
 
今日のお話をまとめます。コモディティ化が進めば進むほど、自社製品やサービスにどのような社会的価値を付加することができるのかということ、社会的価値を自社の製品に取り組むことが、マーケティングにおける大きな鍵となっています。

次回はコモディティ化脱却に向けた新しい取り組みの一端をご紹介したいと思います。

分野: マーケティング |スピーカー: 高橋 幸夫

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