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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > タイ・チュラロンコン大学との交流活動について(2) (企業財務管理、国際金融/平松拓)

タイ・チュラロンコン大学との交流活動について(2)

平松拓 企業財務管理、国際金融

13/04/05


前回、学生交流活動のためのタイ訪問について、特にチュラロンコン大学との交流活動を中心に話をしましたが、今回は、その旅行中に見聞きしたよもやま話的なお話です。

チュラロンコン大学との交流活動は3月2日(土)でしたが、翌3月3日(日)はバンコクでは都知事選の投票日でした。タイでは2001年に政権についたタクシン首相が2006年にクーデターで国外に追われて以来、農村部に強い支持勢力をもつタクシン派のタイ貢献党と、都市部に強い反タクシン派である民主党とが、それぞれ赤シャツ、黄色シャツグループとして、激烈な政治闘争を繰り広げてきたことはつとに有名です。これは中央政府に留まらず、地方政界でも同じような状況となっています。現在、中央政府では2011年の選挙で勝利したタイ貢献党のインラック首相(タクシンの妹)が政権を担当していますが、一方、首都バンコクでは民主党のスクムパン氏が現職の知事に就いていました。

今回の選挙では、現職知事に対して、タイ貢献党のポンパサット候補が挑戦する形で行われました。事前にはポンパサット候補の優勢が伝えられていたようですが、結果的には現職のスクムパン氏が二期目の座を獲得し、民主党は都市部の牙城を防衛した形となりました。興味深かったのは、投票が国民の権利ではなくて義務とされるタイでは、投票率が7割~8割にも達すると聞いていたのですが、やはり地方選挙となるとバンコクのようなところでもレベルダウンするのか64%程度に留まりました。結果的には、衆議院議員選挙と同日に行われた前回の東京都知事選(63%)と殆ど変らない水準に留まったことになります。

もう一つ選挙関係で面白かったのが、選挙の当日と前日の夕刻は酒店、レストランなどで酒の販売が禁じられていることです。タイでは普段でも午前11時迄と午後2時~5時までは販売が禁止されていることもあって、選挙前は実質的にほぼ、2日間の休肝日ということになります。それだけ真面目に選挙に取り組めということなのでしょう。ホテルの客室で予め買っておいたお酒やミニ・バーのお酒を飲むことはできますが、ラウンジやバーでもお酒を販売しないために、普段なら比較的に賑わうところが閑散としていました。

また、タイでは女性の社会進出が日本よりは進んでいることも関係していると思いますが、一般家庭も含めて、とにかく自炊をしない、即ち外食、というのも興味を引きました。このこと自身は、日本を訪れるタイ人からも聞いてはいましたが、現地で話をする人が一様にそのことを認めていたのには驚きました。そのためか、町中に多くのレストランが軒を連ね、どのレストランも総じて賑わっているように思ました。また、案内を買って出てくれたタイ人の学生が、道に並ぶお店で実に良く買い食いをしていたことにも現れていました。

この点自炊をしないということは、前回お話したチュラロンコン大学でのビジネス・プラン・コンテストで、かなり議論となりました。即ち、一つのグループが、日本食が最近人気となっているタイに、日本でも増えている安全な食材を届けるサービスを導入することを提案したのですが、意見が分かれて中々苦労したようです。グループの中のチュラロンコンの学生に対しては、「食の安全の重要さということを教育して、習慣を徐々に変えて行く」ということで何とか説得を試みたものの、審査員となったチュラロンコン大学の先生からは、「それでもタイ人は自炊をしない!」というコメントがありました。文化の違いの壁は厚かったようです。

もう一つ印象的だったことは、タイ人の消費意欲の旺盛さです。e-Commerce事業を行っている企業の人によると、新しいスマホの機種が発売されると、直ぐ最新機種に乗り換えるなど、「宵越しの銭は持たない」という表現を思いだす位の顧客が珍しくないそうです。また、タイでは自動車にかかる税金が高く、小型の乗用車でも日本より数十%高いそうですが、それでも売れています。タイでは一人当たりGDPが5000ドル程度と、まだ日本の1/10程度なのにもかかわらずです。タイでは過去20年間以上、一時的に経済が後退することはあっても、比較的早く立ち直り、全般として順調な右肩上がりの経済を辿って来たということも影響しているかと思われます。また、大家族制度で老齢の親を子が扶養することが社会規範として維持されていることも、老後のためにせっせと貯蓄するという日本人のperformanceとは大分違いがありそうです。

以上、企業訪問のついでに見聞きした、タイの社会の一端をご紹介しました。

今回のまとめ:東南アジア諸国にはそれぞれの文化に個性があって面白さがあります。観光名所を巡るだけでなく、街の中を見て歩き、現地の人と会話をすることで、様々な面白い発見が出来ます。

分野: ファイナンシャルマネジメント |スピーカー: 平松拓

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