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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > 自由市場社会では浮動票がキャスティングボートを握る (マーケティング/出頭則行)

自由市場社会では浮動票がキャスティングボートを握る

出頭則行 マーケティング

13/02/28

今日は、昨年11月に行われた米国の大統領選挙をとば口にマーケティングの話をしたいと思います。民主党のオバマ対共和党のロムニーで選挙が行われて、最終獲得票はオバマが51パーセントでロムニーが48パーセントでした。その差はたった3パーセントです。大統領選の直前にロムニーの失言(「オバマを支持する47パーセントは政府依存者で、自分は相手にしない・・・」)が発覚し、彼の得票率に影響したといわれています。

このロムニー失言の示唆するところが何かというと、オバマに投票すると決めてしまった47%の人の気もちを変えることはできない。すでにオバマと決めている人は変えることができないが、まだ投票相手を決めていない浮動層を取り込めばマジョリティを制することができるのではないか、とロムニーが確信していたことです。

米国の大統領選は二者択一のゼロサムゲームで、過去の例でも、両候補の得票率は拮抗しています。主流派がいると反主流が出てくる、人間の心理からいくと主流派に勢いがあると徐々に反主流に肩入れしたくなるという気持ちが生まれます。これは、消費者マーケティングにおいても同様で、"Two horse race"という言葉があります。飲料会社でペプシコーラ対コカコーラ、輸入高級車でベンツ対BMWというように多くのカテゴリーで二者の戦いになっています。みなさんが結婚相手決めるときも、最終的に決めるときは二人のうち一人という風に決めるのだと思います。五人の内一人決めるということはあまり無くて、心理過程を追っていけば先ずは二人に絞り込まれて最後は二者択一になります。GE元会長ジャック・ウェルチの経営手法でも同じことが言えます。現在1位か2位、或いは将来1位か2位になる可能性の有する事業に絞り込むというものです。

人間というのは最後には二者択一で物事を決めます。年末の日本の選挙でもそうなっています。自民党が圧勝したように見えますが、自民と反自民(民主党と第3極)という風にわければ得票率は拮抗しています。

米国大統領選挙の場合たった3パーセントの差でオバマが今後4年間のアメリカの政治を任されることになりました。浮動票の3%がキャスティングボードを握ったわけです。この浮動票の数パーセントを取るためにアメリカでは20億ドルの広告費が投じられたといいます。90円換算でも1800億円に相当し、これは日本のトップ広告主の3倍程度の規模で、昨年度はアメリカの大統領選挙が最大の広告主だったということになります。

このごろはインターネット選挙だとか、インターネットを活用した選挙活動ということが言われています。米大統領選の浮動票の数パーセントの取り込みに関していうと、20億ドルの広告費はインターネットではなくマスメディアに投じられました。それは何故なのでしょう。インターネットはよくone-to-oneと相性の良いメディアと言われます。CRM(customer relation marketing)はインターネットなしには考えられません。既存顧客の取り込みと囲いこみのためにはインターネットは非常に有効です。浮動票層(まだ確信してない人)にインターネットは有効なのかどうか?広告効果の追跡調査に熱心なアメリカで、選挙キャンペーン予算の殆どがマスメディアのテレビスポットに投じられたという事実は何を意味するのでしょうか?これを明日のテーマにしたいと思っています。

自由市場社会では浮動票がキャスティングボートを握る。浮動票の取り込みには、マスメディアが有効そうなのだがそれは何故なのだろう、というのが今日のまとめです。

分野: マーケティング |スピーカー: 出頭則行

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