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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > 第3回 歴史的転換期に直面する日本(三つの課題:政治・外交、経済) (国際経営論、経営戦略論、アジア産業論/永池克明)

第3回 歴史的転換期に直面する日本(三つの課題:政治・外交、経済)

永池克明 国際経営論、経営戦略論、アジア産業論

13/02/12

そして今、日本は政治的にも経済的にも明治維新や第二次大戦後に匹敵するほどの大きな挑戦に直面しています。それは要約すると、以下の三つの問題に集約できるでしょう。これらの解決策を考える場合、これまた冒頭で触れた日本人の国際性がからんでくるのです。すなわち、国際感覚・国際常識で考えればおのずと道は見えてくるのではないかということです。

第一に、政治・外交・安全保障問題があります。目下北方領土問題、尖閣諸島、竹島問題等の領土問題、日米同盟のきしみなど、日本の外交戦略が問われています。今、我が国の政治に求められるのは、確固たる国家ビジョンとそれを達成する筋道としての国家戦略、一貫性・持続性のある政策の果断な実行です。外交問題についても日本人の国際性が問われます。自分の領土は自分で守る、国際紛争は国際法に則り対処することが国際的常識であることを日本人が認識することです。内政面では、明治以来のキャッチアップ型の中央集権制をドイツ流、米国流の地方分権制国家へ軸足を移し、地方が主体的に地域活性化を推進することによってバランスのとれた発展を図るべきです。本来、中央集権制は途上国のモデルです。国際的にみても、先進国の中で、いまだに中央集権制を引きずっている先進国は日本くらいしかありません。

【注:中央集権国家の典型は、第二次世界大戦以前のフランスや大日本帝国憲法時代の日本などです。先進国において最も中央集権的な国家とされたフランスでも、1946年の憲法で地方自治体の行政運営の原則が明記され、1980年代以降は中央政府から地方への権限委譲が進められており、現代において典型的な中央集権国家は少ないのです。(中国や北朝鮮等の社会主義国家はその限りではありません)】

第二に、経済面ではリーマンショック後の世界経済の混乱、ユーロ問題に端を発する欧州の経済危機、新興国の経済成長鈍化、資源・エネルギー需給のひっ迫の懸念、FTAやTPPなどの地域経済統合への対応策などの問題が山積しています。これらの多くは海外経済要因です。これも本稿冒頭の国際性と関連しています。解決策は、鎖国ではなく通商国家としての「開国政策」です。今は、グローバル経済の時代、一国が世界から孤立して生きていける時代ではありません。まして日本は天然資源、原材料やエネルギー資源に乏しく、経済的に孤立しては生きていけません。高付加価値の製品やサービスで外貨を稼ぎ、それで天然資源、原材料やエネルギーを輸入して国を回していかなければならない宿命にあります。そのためにはFTAやTPPに前向きに対処すべきなのです。積極的に国際交渉に参加し、国益を守るべきは守りつつ自由貿易を推進する姿勢が必要でしょう。戦後、何度も欧米諸国と貿易摩擦を経験し、牛肉、オレンジ輸入自由化反対、日本農業壊滅論が巻き起こりましたが、実際には杞憂に終わりました。むしろ、高品質・安全・安心を前面に出し、農水産品輸出で海外から外貨を稼ぐ攻めの気概と戦略(アウトバウンド戦略)がほしいのです。農業問題ではコメなど守るべき分野はしっかりまもり、アウトバウンド型の農産品は攻めの戦略をとるという使い分けを行い、それをFTAやTPPでの交渉の場で主張していくべきです。また、医療ツーリズムなどニューツーリズムといわれる分野では、積極的に海外の人・モノ・金を呼び込むインバウンド戦略も有効です。外資系企業の誘致ももっと積極的に行い、国内での雇用機会を増やしていくべきでしょう。

分野: 国際経営 |スピーカー: 永池克明

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