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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > 第2回 日本の歴史は常に外圧から始まった (国際経営論、経営戦略論、アジア産業論/永池克明)

第2回 日本の歴史は常に外圧から始まった

永池克明 国際経営論、経営戦略論、アジア産業論

13/02/11


日本の歴史はいつも海外からの何らかの強い圧力を受けて転換を迫られ、それを乗り越えてきた歴史でもあるといえます。古来から様々な外来文化を受け入れ、咀嚼し、自分の文化に昇華させてきた歴史を持っています。外圧についても白村江の敗戦、元寇、近世の鉄砲やキリスト教など西欧文明、幕末の黒船、日露戦争、そして第二次大戦といった歴史的な外圧を受け、その都度それに向きあい、切り抜け、乗り越えてきました。いわば、受け身の歴史といってもよい歴史だったのです。地勢的に海に隔てられ、海外情報を得る機会に乏しい日本人は、事態の変化を予知することができず、外圧が来るまではそれを実感できず、現実に直面して初めて覚醒し、力を結集し、行動し、乗り越えるというパターンで来ました。それが国際人でない日本人の唯一対処できる方法だったのかもしれません。

私自身が、社会に出てビジネスマンとなり、自分の業務を通じてそれを体感したのはやはり外圧でした。1973年に第一次石油危機がぼっ発し、日本経済は混乱の極みにありました。翌1974年4月、親元企業の(株)東芝から日本有数のマクロ経済のシンクタンクである日本経済研究センターに委託研究生として2年間の出向を命ぜられました。このコースは企業エコノミストを養成するためにマクロ経済予測を理論・実践両面から習得させるという2年コースの制度であり、筆者はその12期生にあたります。

当時、エコノミストの最大の関心事は、1974年の日本経済が戦後初のマイナス成長に陥るのか、プラス成長を持続できるのかということでした。経済成長率というのは要するにGDPが去年に比べてどれぐらい伸びたかという比率です 。私はたまたま個人消費支出を担当しました。個人消費支出はそれはGDPの6割を占めており、その予測値次第でGDP成長率が左右されます。私の推計ではいろいろな手法を使っても、物価上昇を割り引いた実質ベースの個人消費はわずかながらマイナスとなりました。公式発表までの最後の3日間悩みぬいた揚句、チームを統括する主査と夜を徹して検討を重ねました。そして、主査は翌日の発表会で実質経済成長率マイナス成長を発表しました。

結果はその通りとなりましたが、これも外圧のプレッシャーにおののいた若きエコノミストの卵の思い出です。その後、親元企業での業務を通じ、欧州、米国での生活経験や海外から日本を見る機会も得ました。同時に、その間に起こった日米・日欧貿易摩擦や先進国での生産シフト、外国企業との提携交渉、プラザ合意後の円高の昂進とアジア、中国への生産シフトなどをビジネスの現場で経験してきました。これらの経験からも、日本経済、企業が海外要因に翻弄され、苦慮し、必死に知恵を絞った歴史であったといえるでしょう。


分野: 国際経営 |スピーカー: 永池克明

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