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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > セクターを超えた提携(1) (国際経営、国際物流/星野裕志)

セクターを超えた提携(1)

星野裕志 国際経営、国際物流

13/02/19

1990年代以降、企業間の戦略的提携が盛んに行われるようになりました。これは、他社と提携することで競争優位性を高めるという考え方によるものです。たとえば、自動車・製薬メーカーや航空会社などの国際間の大型提携も見られました。

こうした提携は、仲良く手を結ぶというものではありません。自社の競争力を高めるために、あえてライバル企業や潜在的な競合相手と手を結び、自社にない能力を他社から手に入れることを目的としました。自社にない能力とは、たとえば技術や様々なマネジメント能力を指します。また、相互に他社から組織学習すること、提携関係からシナジーを生み出すこと、そして自社にないものを他社の力を借りて迅速に市場展開することも、戦略提携の目的です。

これまで、戦略提携が発表されると、市場は高い好感度をもってそれを受け入れてきました。たとえば、株価があがるなど、プラスに評価されていたのです。しかし最近では、提携の戦略性や提携の効果が、より精査して評価されるようになってきました。

今までの戦略的提携のお話では、企業と企業という民間のセクターを対象としていました。今回は、セクターを越えた提携に着目します。たとえば産官学の連携、最近ではそこに市民を入れて産官学民とも言われますが、このような理念や枠組みは先行しているものの、戦略性をもって効果をあげている例はまだまだ限られているようです。

そのような考えから、今後異なる分野の組織間での連携を期待しています。たとえば、以前にもお話しましたが、BOPビジネスという企業が開発途上国に市場へ参入する方法があります。これまで多国籍企業が開発途上国の市場に新たに参入する際には、現地の企業が主な提携対象となっていました。しかし、それだけではなく、国連機関やNGOなど、現地のマーケットを非常によく知っている組織と提携しても効果があるように思います。

また二番目に、国内の企業とNPOの連携も考えられます。1995年の阪神淡路大震災を契機として、ボランティア活動への参加が日本で認知されて以来、NPOの存在が注目されるようになりました。今後は、財政の逼迫や少子高齢化の進行によって、これまで政府や自治体が提供してきたサービスが縮小していくことが考えられます。ここでNPOが、「第三の公共」として注目されてきているのです。しかし現状は、NPOがそれほど大きな力を持ち得ているとは思えません。

そこで、こうした地域密着型の非営利活動と企業が相互に手を結ぶことによって、大きな動きが展開できる可能性は十分にあるでしょう。NPOと企業は利益の追求の点において相反する立場にありますが、本当に求められるサービスを提供するという点では、両者とも同じものを求められています。目的が違えど方向性が同じであれば、そこに提携の可能性はあると思います。

そして三番目に、国連機関と企業の連携が考えられます。年末にニューヨークで、国連のグローバル・コンパクトという、こうした連携を推進する事務局のインタビューをしてきました。そこはまさしく、国連機関と企業が手を結ぶことで何ができるかということを模索しているところです。世界には解決すべき様々な社会的な問題がありますが、それらを解決できるのは国連機関だけでなく、企業の力も有用であるというのが、国連のグローバル・コンパクトという枠組みの考え方です。

もともと企業間の戦略として言われた大型のアライアンスあるいは戦略的提携という考え方が、市民活動や国連機関、NPO、NGOなど、セクターを越えて模索され、具体的なプロジェクトにつながることを期待しています。

分野: 国際ロジスティクス |スピーカー: 星野裕志

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