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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > アメリカの経済学者は何を考えているのか(2) (経営学 /久原正治)

アメリカの経済学者は何を考えているのか(2)

久原正治 経営学

13/02/06

アメリカの経済、経営学者は何を考えているのか
 
 
前回はアメリカの経済に関する学会に出席した時の話をしましたが、今回は引き続きアメリカの経済や経営の学者が何を考えているかという話をします。私自身は経営学者で毎年アメリカの大きな経営学会に参加しており、経済学会には実は今回初めて参加しました。そこで今回はその二つの"経済"と"経営"とを対比してみようと思います。

経済学会は、今後の経済をどうするかが問題となるので想像しやすいですが、一方の経営学会の状況や方向性はどうなっているのでしょうか。

実は、まず世界で経営学者のほうが圧倒的に経済学者より多いのです。つまり、企業の経営や働いている人たちをどうするかという研究テーマのほうが目を引き、それからビジネススクールが世界中にあって先生の需要というものもあります。更に経済学とか社会学をやっていてもそれをビジネスに応用して経営学者になる人も多くいます。アメリカ最大の経営学会の参加者が毎年1万人ぐらいなのに対して経済学会は3千人ぐらいなので、3倍ぐらい経営学会の方が大きいということです。

経済に関するこういった学会に参加して多くの最先端の話を聞いて感じたことの一つは、まず研究の重要性です。経済や経営の問題の最新のテーマを探り、その解決策を最先端で研究しています。また、そこで新たな理論を作ってことが最も重要な課題であって、日本と違ってアメリカの学者は教えることは片手間で行います。研究で成果をあげないとその大学も採用してもらえず教授にもなれないので、まずしっかり研究して、それをベースに最先端のことを教えるという順番になっているようです。

だから皆こういう学会に出て来る訳です。そういうことで、アメリカの学会のほうが、実証、実際に役に立つ研究が多くなっています。日本では学会で占い師みたいなことをいう人がいて、本当に実証をちゃんと研究したのか疑問に思うものもあります。そういう意味ではアメリカの経済学会や経営学会に出ると、研究と本当に役に立つもので、役に立つものをやるべきなのだと気付かされます。実践が理論に裏づけられているからです。

前回、過去の経済の理論は今後通用しないと話しましたが、日本ではより分かり易く具体的にしたものが有名になり、漫画にまでなる場合もあります。

日本で有名なドラッカーに関しても、UCLAのジャコビーという有名な先生とお会いした機会に聞いてきました。曰く、ドラッカーはまず学者ではなく歴史みたいなものだそうです。学校でドラッカーを取り上げる人はおらず、日本で言う評論家の様に捉えていました。アメリカでも思想として重要だけれども、ちゃんと理論を実証するという研究の面はできていないということです。

経験したことからあることが言えるとしても、それは正式に研究の作法に法って理論化されたものではない。従って、ドラッカーはビジネススクールでも教えないし、ただの時代の思想家であるといった感じです。それが駄目だと言うわけではなく、これを経営の学者の論とは言わないと考えられているようです。

今までの経済の理論が通用しないというところでいくと、例えば資本主義のあり方も今後ひょっとしたら形が変わりうるとも考えられます。経営学会で今一番注目されているのは、株主資本主義についてです。実証的に株のパフォーマンスと、更に従業員の満足度、顧客の満足度等を数値にしたもの、その3つを満たす会社がすばらしい会社であるとされています。

従来、株価さえ満たしてれば良いとされていましたが、資本主義が今のような状況になってしまうとこれが間違いだった考えられるようになったということです。これは経済学会でも経営学会でも両方同じような考えがあります。株主資本主義が終ったっていうのは明らかにあります。しかし日本ではそれを実証もなく、思想家のようにいうだけなのですが、アメリカでは具体的に株の代わりに従業員と顧客の満足度を指標化するべきとして、実証研究に新しいトレンドを作り上げています。

分野: 経営学 |スピーカー: 久原正治

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