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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > 会計の理論構造 (日本の会計、国際会計、税務会計、監査論、コーポレート・ガバナンス、西洋・東洋思想と倫理、経営哲学/岩崎勇)

会計の理論構造

岩崎勇 日本の会計、国際会計、税務会計、監査論、コーポレート・ガバナンス、西洋・東洋思想と倫理、経営哲学

13/01/28


今日は、「会計の理論構造」についてお話しします。

会計というと非常に実務的で作業的な印象を受けますが、実は、その基礎に会計理論があります。その理論は、次のように四層構造になっています。すなわち、会計公準、会計原則、会計基準、会計手続です。

まず、第1層の最底辺の最も基礎的な理論が、①「会計公準」と呼ばれているもので、会計が成立するための基本的な前提や仮定のことです。これは、現実を基礎として導き出されていますが、現実とは必ずしも一致するとは限りません。すなわち、会計公準という一定の前提に基づいて会計を行います。例えば、継続企業の公準という会計公準がありますが、これは、企業は一旦設立されたら半永久的にその事業活動を継続するという仮定です。なぜなら、もし継続企業ではないとすると清算することになります。倒産ですから清算が必要です。そうすると、清算と継続では会計上、計上する項目や金額が変わります。そこで、清算ではなく、継続企業を前提として会計を考えていこうということになっております。

例えば、貸借対照表という会社の資金の調達と運用の状態(財政状態)を示す計算書には、開発費などの繰延資産という項目があります。この開発費などは、もし倒産を前提とすると、将来の収益獲得に貢献しなくなりますので、ゼロ評価になり、したがって倒産を前提とすると計上はできません。ところが継続企業を前提とすると、開発費は将来の収益の源泉となりますから、(一定の条件を満たせば)資産として計上します。

さらに計上金額の違いがあります。継続企業を前提とすると、当然ながら、商品は通常取得原価で計上します。ところがもし清算となると、閉店セールなどと同様、初日は50パーセントオフで、それが90パーセントや95パーセントオフのように、価格が下がっていきます。つまり、清算を前提とするのか、継続企業を前提とするのかで、このような計上項目や計上金額について会計処理の仕方が違ってきます。

これらが最底辺の会計公準ですが、その上に、②「会計原則」があります。会計原則は、会計処理を行う上での理論的な考え方の指針です。例えば、実現主義の原則、発生主義の原則などがあります。実現主義とは、経済価値の増加が実現したときに、収益を計上するという原則です。

この考え方だけでは、まだどのように会計処理してよいのかがよくわからないので、その上に三段目の③「会計基準」を設けます。会計原則が理論的な考え方の指針であるのに対して、会計基準は実務的な処理の指針です。具体的には、実現主義の具体的な会計基準として販売基準があります。すなわち、商品を販売した時に売上を計上する基準のことです。そして、このような会計公準、会計原則、会計基準に基づいて、一番上で④「会計手続」が実際に行われます。この段階では、売上伝票を切って、売上計上をするということを行います。

このように会計の理論構造は四層構造になっているのです。通常、担当者は、会計基準(販売基準、引渡基準など)や会計手続のレベルのことしか意識していませんが、その根底には、貨幣的評価の公準や継続企業の公準、実現主義や原価主義などの会計公準や原則があります。それで全体が体系的に出来上がっていて、それを基礎として担当者は実際の会計処理をしているのです。

分野: 会計 |スピーカー: 岩崎勇

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