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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > 予算(1) (企業財務管理、国際金融/平松拓)

予算(1)

平松拓 企業財務管理、国際金融

13/01/16


今回と次回は予算についての話をしたいと思います。予算については皆さんそれぞれに馴染みがあると思います。大学(ビジネス・スクール)でも予算はありますし、ラジオ局でも予算は使われるでしょう。それも番組単位でも予算が組まれていたりするのではないでしょうか?本当にどこでもある、予算ですが、この予算とは何か、そしてその意義は何かを考えてみましょう。

私達が「予算」といった場合、どうしても「支出の制約」としての「予算」が先ず思い浮かびます。しかし、予算には収入の方の予算もあります。国家予算の中にも、今年度の税収がいくらあるはずだということが盛り込まれていますし、企業でいえば今期はいくら売り上げるとか、学校でいえば授業料収入がどれだけあるはず、といったような具合です。

それでは、こうした予算を作成することの目的は何でしょうか?実際には様々なケースがあって、中には単なる目安として示されているにすぎない予算もあるでしょう。しかし、企業で用いられる予算の場合、支出に枠を嵌めたり、逆に収入面では目標或いはノルマを示すことで、営業活動などへのプレッシャーを与えるという目的で用いられている場合がほとんどです。

そこでは、上司が部下に予算を策定させ、その予算を上司が承認し、部下がその予算内に支出を抑える、或いは予算に示された売上を達成した場合褒章を与える、ということを制度化することにより、上司が部下をコントロールすることが可能となります。つまり、上司が部下に作らせる予算のあり方によっては、部下が「褒章を得る」という個人的な目的のためにその予算達成に努力することを通じて、会社の戦略を実現につなげることが可能となります。このように、予算は部下を企業の戦略の実行に向けて努力させるための目的として利用することができることから、重要なマネジメント・コントロールのツールとなっています。

このような目的で用いられる企業の予算ですが、その特徴について考えるために、予算と同じように将来の姿を数字で示す、「戦略的な経営計画(例えば中期経営計画)」や「予測」と比較を行ってみましょう。まず、中計(中期経営計画)と比べると、中計は対象期間が複数年次であるのに対して、予算は、中計の直近の1年をベースに使うこともありますが、いずれにしても単年度を対象としているという違いがあります。第二に、中計は、トップマネジメントや経営企画部などの専門部署、或いは、ライン職の上級の管理職によって作られるのに対して、予算は現場のマネージャーに至る迄の幅広い参加で作成されます。第三に、中計は対象期間中に何をやるか(プロジェクトであるとか、プログラム
であるとか)が重要であって、数字の目標は示されるものの、そもそも2年、3年先のことであり確実性が下がるので精緻な数字は要求されません。これに対して、予算には金額や販売量等の精緻な数字が織り込まれ、まさにその数字の達成が重要視されます。

次に、予測との違いで考えると、第一に予測の場合には、実態との比較をフォローアップすることが制度化されることは少ないのに対して、予算の場合には、通常、定期的に実態と対比されます。第二に、予測では、実態に合わないということが判明した場合、できるだけ早く予測の見直しをすることが望ましいのに対して、予算の修正は通常は認められません。第三に、予算では実態を予算に近付けるために、その責任者は実態を改善するための努力を期待されていますが、予測の場合には、実態を予測に近付けるような努力を期待されている訳ではありません。最後に、予測については、実態がほぼその通りとなった場合、予測を作った人が褒められますが、予算の場合には達成された場合、策定者ではなくて、執行責任者が褒められることとなります。

以上で、企業における予算が少し明らかになったかと思いますが、企業が予算を作ることには他にも、
①中計の微調整が出来る、
②予算の策定を通じて企業の組織の中の調整ができる、
③予算の管理責任者に責任と裁量を与えることが出来る、
④策定に参加した場合など特にだが、管理職からその目標達成に向けてのコミットメントが得られる
---といったメリットがあります。

次回は、先程述べた、予算で実態を予算に近付けるための実態の修正活動についてお話します。

今日のまとめの一言です。
「企業における予算で最も重要なことは、予算を達成することが、個人の目的にかなうものであると同時に、企業全体の戦略の実現にも資するものとなっていることです。」

分野: ファイナンシャルマネジメント |スピーカー: 平松拓

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