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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > 中国⑤金融 (企業財務 M&A/村藤功)

中国⑤金融

村藤功 企業財務 M&A

13/01/11

中国では、元々共産主義による計画経済が行われていたため、中央銀行である中国人民銀行が唯一の銀行でした。日本のように、家計がお金を銀行に預金して、銀行がお金を企業に貸す、という形ではありませんでした。基本的に、お金はすべて国有企業に蓄積され、政府がそれを吸い上げて、計画した通りに国有企業にばらまくという形をとっており、複数の銀行は必要なかったのです。しかしこの30年の改革開放によって、欧米や日本のような自由資本市場の方向へ向かっています。複数の銀行が存在し、株式市場や債券市場、為替市場、インターバンクといった様々な市場ができつつありますが、未だ途中の段階です。自由市場へ向かうまでに色々な規制が残っており、これが問題となっています。

中国人民銀行は、基準金利を預金と貸し出しについて設定しています。預金がおよそ3%、貸し出しが5.8%程度です。これまではこれを基準として基準から上下限の範囲を決めていたのですが、段々自由化されてきつつあります。去年の預金金利はインフレよりも低かったため、お金を銀行に預けると目減りすることとなりました。最近では自由化によって、銀行預金よりもよいものが出ています。証券のミューチュアルファンドのようなもの、銀行が販売するWMP(Wealth Management Products)や不動産などへ、人びとはお金を持って行きはじめています。そうすると銀行は預金としてはお金を集められないため、大して貸し出しをすることができず、民間企業にお金が回らなくなります。政府より国有企業にお金を貸すよう言われるため国有企業には貸し出すのですが、民間企業は大企業も中小企業も全然お金を取れないという事態に陥るのです。今では中国工商銀行と中国銀行、建設銀行、農業銀行の四大銀行が、中国人民銀行から分かれて出てきていますが、いずれも国営で、国有企業にプライオリティをおいてお金を貸しています。

それでは中小企業はどうしているのかといえば、30%ぐらいの金利でお金を借りているのです。それではあまりに大変なため、少額ローン会社を新たに設立し、基準金利の4倍程度、すなわちおよそ25%を上限としてお金を貸し出す改革を進めている最中です。

以前は、不良債権が大体20%程度ありました。しかし国有の銀行が国有の企業に政府の意向で貸し出したお金であったため、潰すわけにもいきません。そこで政府は、自己資本を税金から突っ込んだり、不良債権を買い取るなどして不良債権をなくし、今のところ昔よりよくなってきています。

今でも全部自由主義になったかというと、そういうわけではありません。しかし、これまでのように中央政府がすべてを決める形から、それぞれの人やマーケットが決める形へ段々変わってきています。共産主義計画経済だったものが、自由主義市場主義へ変わってきている最中なのです。

中国が最終的に資本主義へ行き着くのかといえば、彼らはそうは言っていません。憲法に共産党が支配すると書いてある以上、共産党が支配しないわけにはいかないため、共産主義を捨てるとは言わないのです。しかし社会市場主義を唱えつつあり、日本より明らかに自由主義や市場原理の方向へ偏ってきています。あと百年二百年は自由主義市場主義でいて、共産主義になるのは数百年後でいいようです。

今日のキーワードは「基準金利」。中国人民銀行が決める基準金利を参考に、国有および民間の銀行は預金金利や貸し出し金利を決めています。

分野: 財務戦略 |スピーカー: 村藤功

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