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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > 第2回 地域間(東アジア・米国・欧州間)貿易動向の変化 (国際経営論、経営戦略論、アジア産業論/永池克明)

第2回 地域間(東アジア・米国・欧州間)貿易動向の変化

永池克明 国際経営論、経営戦略論、アジア産業論

13/01/08


(1)世界貿易の中での東アジア域内貿易のプレゼンス拡大
今回の金融危機の影響を受けた欧米の需要減により、危機後の東アジアから欧州、米国への輸出は大幅に減少しました。通商白書(2010年)によると、東アジアから米国向け輸出は7,012億ドル(2007年)から5,826億ドル(2009年)に、欧州向けは6,787億ドル(2007年)から5,820億ドル(2009年)へと大きく減少しました。一方、東アジア内の貿易については、1,224億ドル(2007年)から1,701億ドル(2009年)と増加しています。また、素材、中間財、最終財の財別シェアについてみると、東アジアから米国向けの最終財の割合は、66.3%(2007年)、67.9%(2009年)と全体の約7割を占め、米国から東アジア向けについては、中間財、素材の割合が、それぞれ53.8%、13.1%(2007年)、53.5%、14.5%(2009年)と、高い割合を維持しています。東アジアから欧州向けについても、東アジアから欧州向けの最終財の割合は、58.0%(2007年)、60.3%(2009年)と6割程度の高い割合を維持しており、欧州から東アジア向けについては、中間財の割合が、52.4%(2007年)、51.6%(2009年)と5割程度の高い割合を維持しています。

このことは、先進国企業の直接投資の増加による企業内・産業内貿易の拡大が域内貿易を促進したことが大きいのです。すなわち従来のような完成品のみの貿易から産業内、企業内貿易ということが日本や欧米、韓国・台湾の多国籍企業の間で進展しているような直接投資企業の増加を通じて構築されていることも貿易面でのもう一つの構造変化です。

こうした現象は、企業レベル、産業レベルで見ると、東アジアにおける企業内、産業内貿易の増大ということも出来ます。すなわち、自動車業界において、たとえば日本の完成車メーカーが東アジア域内各国に生産工程別製造子会社を設立し、生産を分担させている場合、完成車メーカーとその協力企業の間で様々な中間財貿易ネットワークを形成し、それぞれの国々の間で貿易が成立します。こうした動きを企業内貿易といいますが、それが業界内に広がると産業間貿易といいます。こうした企業間での、あるいは同一産業間、異なる企業ないし産業の間で貿易が行われるようになっていることが貿易の形態をより多彩にしています。

②ASEAN向け輸出の増加
危機後も東アジア域内の貿易は堅調です。これは特にASEANの輸入が増えていることが大きいのです。日中韓いずれの国からも、危機後にASEAN向け輸出が増えています。

我が国からの中間財輸出のうち、米国向けは579億ドル(2007年)から426億ドル(2009年)、欧州向けは534億ドル(2007年)から404億ドル(2009年)と大きく減少していますが、中国向けは1,469億ドル(2007年)から1,412億ドル(2009年)、韓国向けは397億ドル(2007年)から367億ドル(2009年)と小幅な減少となっており、ASEAN6向けについては561億ドル(2007年)から658億ドル(2009年)と増加しています。

我が国からの最終財輸出についても欧米向けは減少が著しいのですが、中国、韓国向けは欧米向けに比べると減少が小さく、ASEAN6向けは増加していることがわかります。

最後に、部品の製造業が集積している東北地方の震災被害によって自動車やエレクトロニクス部品が供給不足となり、アジア・中国のサプライチェーンがマヒしたり、欧米で販売する日本車が販売できなくなるという現象も起こり、日本の重要性が改めて浮き彫りになりました。また、そのあとに起こった中間財を生産しているタイの洪水被害は、サプライチェーンを構成しているため、世界中の製造業が影響を受けました。これがグローバリゼーションというものでしょう。

分野: アジアビジネス 国際経営 |スピーカー: 永池克明

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