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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > 技術商業化の方法(その2) (産学連携マネジメント、技術移転、技術経営(MOT)、アントレプレナーシップ/高田 仁)

技術商業化の方法(その2)

高田 仁 産学連携マネジメント、技術移転、技術経営(MOT)、アントレプレナーシップ

13/01/04

・前回は、技術商業化は、(1)イマージニング(想像)、(2)インキュベーティング(孵化)、(3)デモンストレーティング(実演)、(4)プロモーティング(普及)、(5)サステイニング(維持)、の5段階から構成されることについて説明した。

・今回は、特に難易度が高い第1段階のイマージニングから、第2段階のインキュベーティングへの移行方法と、そこで重要なポイントを解説したい。

・第1段階のイマージニングでは、技術が100%確立されているわけではない。従って、将来に向けた不確実性が高く、結果的に失敗率も高い。そんな中で、技術の原理や特性を把握しながら、その技術が世の中のどこに使われそうか、商業化のアイデアをあれこれとふくらませる。そして、次のインキュベーティング段階へと進むことが出来るか否かを判断しなければならない。
・では、先に進む判断に必要な「能力」と「判断基準」とはどんなものだろうか?

・まず「能力」についてだが、技術と市場の両方の洞察力が必要となる。具体的には、技術の特徴について理解を深めながら、潜在的なパートナー企業に対して商業化の可能性を打診するといった活動を継続することで、市場に対する洞察力を深める。この活動を通じて、「技術価値」の理解と「顧客・市場価値」の理解をバランスよく深めることが重要なのだ。
・よく、「技術的に優れている」とか「高機能」をウリにする製品を見かけるが、技術や機能が優れていても、顧客がそれを望まなければ何の意味もない。そんな状態を防ぐために、技術と市場の両方の洞察力を持つことが必要なのだ。

・次に、「判断基準」についてだが、次のインキュベーティング段階で待ち受けるステークホルダー(関係者)の関心を獲得できるか否かが鍵となる。具体的には、リスクマネーを供給するベンチャーキャピタルなどの投資家、自社の新規事業に組み入れることに興味を持つ既存企業、あるいは、ベンチャーを設立して新製品を世に送り出そうとする起業家、などがステークホルダーとなる。
・これらステークホルダーの関心を獲得するために、イマージニング段階で「技術価値」と「顧客・市場価値」の両方を明確にしながら、ステークホルダーと対話を重ねて、技術が商業化されたときにもたらされる価値について共感を得ることが必要だ。

・インキュベーティング段階に無事移れたら、必要な追加研究開発を行ったり、試作品を作って顧客の反応を見たり、といった活動を行い、それらを踏まえて事業計画を作り、第3段階(デモンストレーティング;実演)に入るため、そこでのステークホルダーであるユーザー候補や企業パートナーを獲得する。

・このようにして、各段階に分解し、それぞれの段階でやらねばならないことを定義付けて、次の段階で待ち受けるステークホルダーの関心を獲得しながら、一段階づつ商業化を前に進めるのが、技術商業化を成功に導くコツとなる。いきなり3段飛びや5段飛びを試みても、失敗する確率が高くなるので、注意が必要だ。

【今回のまとめ】
・技術商業化の初期段階、イマージニングからインキュベーティングへと移行させるためには、「技術価値」と「顧客・市場価値」の両方について洞察を深めながら、次の段階で待ち受けるステークホルダー(投資家やパートナー企業、起業家)の関心を獲得することが重要である。

分野: 産学連携 |スピーカー: 高田 仁

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