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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > 第1回 東アジア域内生産ネットワークの中の貿易の流れ (国際経営論、経営戦略論、アジア産業論/永池克明)

第1回 東アジア域内生産ネットワークの中の貿易の流れ

永池克明 国際経営論、経営戦略論、アジア産業論

13/01/07

モノづくりの水平分業への移行を受けて、東アジアでの生産の国際分業が進行しています。東アジア各国は、その経済発展段階に応じて中間財の生産、最終財生産を分担し、相互に供給し合っている姿が浮かび上がってきます。今回はこうした生産分業ネットワークの活発化について述べたいと思います。

これまではアジアから殆ど欧米に輸出されていましたが、リーマンショック以降、貿易構造の力学がかなり変わってきました。先進国の景気が落ち込んでいるため、アジア域内での貿易が活発化し、アジアのプレゼンスが高まっています。

(1)業種別貿易構造
東アジア域内の貿易を業種別にみると、大きく分けて2つの動きがあります。東アジア域内で中間財を輸入し、最終財を欧米日本を中心とした世界へ輸出する形態をとる電気機器・一般機械と、東アジア域内や現地で中間財を調達し、現地へ販売する形態をとることの多い自動車などの輸送機械です。輸送機械については、我が国の世界への供給センターとしての位置づけが依然高いのです。電気機械、一般機械については、日本に代わり中国、ASEANが最終財のみならず中間財についても供給センターとしての役割を担いつつあります。
 
電気機械分野については、1990年には中間財の東アジア域内からの輸入が約6割でしたが、東アジア各国・地域から中国向けの中間財輸出の大幅な増加により、アジア域内からの中間財
輸入は2008年には、約8割にまで拡大しています。 東アジアにおける中間財輸入に占めるASEAN、中国の割合は、2008年には合計で56%までに拡大しています。

一方で、東アジアから世界への最終財輸出の状況をみると、1990年には5割以上あった我が国のシェアは、急激に減少し2007年には約1割となっています。我が国に代わり存在感を増してきたのは中国です。1990年には1.5割だったシェアは、2007年には、東アジアからの最終財輸出の5割以上を担うまでに成長しています。

2008年の輸出額ベースでみると、日本、韓国、台湾、ASEANから中国・香港に向かって中間財が、輸出され、中国・香港で加工・組立てされた最終財が欧米へ輸出されるというのが、東アジア生産ネットワークにおける主な貿易の流れ(三角貿易)です。一方で、日本から、韓国、台湾、ASEANにも中間財が供給されており、また、ASEAN域内でも中間財の貿易が活性化しています。

(2)我が国企業のアジア進出による東アジア生産ネットワークの形成
①拡大する我が国企業のアジア進出
我が国の現地法人企業数をみると、アジアが我が国最大の進出地域であり、アジアでの現地法人数は約1万社を超えています。その内訳は中国が38%、ASEAN4が28%と多数を占めています。こうした我が国企業のアジアを中心とした直接投資、すなわち海外進出により、最終財である電子機器の我が国企業の生産額は、海外分が国内分を上回っています。我が国企業の2008年の電子機器生産額は8.9兆円ですが、世界生産のうち日系企業の海外生産によるものは16.1兆円と世界全体の生産額の15%を占めています。また、中間財である電子部品・デバイスについても我が国企業の生産が30%を占めています。

②高まるアジア進出企業の現地調達
アジアに進出した我が国現地法人企業の現地調達比率は、上昇傾向で推移しています。日系企業の海外進出に伴い、本社や日本の他の部材企業からの輸入による調達が進展してきました。しかし、近年ではアジア現地企業の技術水準が向上しており、現地企業からの調達の動きがみられると考えられます。また、日系企業のアジア進出が進んだことにより、現地日系企業からの調達の機会も増えていると考えられます。

我が国アジア現地法人製造業の仕入高内訳をみると、1996年度の日本からの輸入は40%、現地での調達は40%と同程度でしたが、2006年度には日本からの輸入が30%、現地での調達56%となっており、現地法人の仕入が、日本からの輸入から現地での調達にシフトしています。

分野: アジアビジネス 国際経営 |スピーカー: 永池克明

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