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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > 国の出費の半分は借金だ (経済予測、経済事情、日本経済、経済学/塚崎公義)

国の出費の半分は借金だ

塚崎公義 経済予測、経済事情、日本経済、経済学

12/12/27

今日は、財政について御話します。財政とは、国や地方公共団体の予算の事です。まず、私たちの税金が何に使われているのかをみましょう。税金には、国が集めるものと地方公共団体が集めるものがあり、国が集めて地方公共団体に渡す地方交付税などもあります。このあたりはわかりにくいので、国と地方公共団体の合計として、税金が何に使われているのかを見てみましょう。
第一位は民生費と言って、年金や介護や生活保護などです。規模は全体の2割強です。第二位は公債費と言って、残念ながら、過去の借金の返済や利子の支払いです。規模は全体の2割弱です。それ以外には、国土開発費という公共投資、学校教育費、一般行政費などが、それぞれ全体の1割弱を占めています。一般行政費とは、戸籍などに関する仕事の費用です。
次に、国と地方公共団体の分担を見ましょう。年金と防衛費は、国が全額支払っていますが、それ以外のものは、両者が分担しています。平均すると、2対1くらいで地方公共団体の方が多く支払っていますが、日常生活に関係が深いほど地方公共団体の払う割合が高いという傾向にあります。たとえばゴミ処理などの衛生費、学校教育費、警察や消防の費用、戸籍に関する費用などは地方公共団体が支払っています。道路も、大きな幹線道路は国が、生活に密着した道路は地方公共団体が整備する、といった分担がなされています。
ここから少し理屈っぽく、財政の役割について御話しましょう。財政の役割の第一は、民間に任せておくと必要なサービスが提供されないので、それを補うという事です。もしも国や地方公共団体が、たとえばゴミを集めに来なかったら、皆さんはゴミ処理の会社に費用を払ってゴミを処理してもらうでしょう。税金の代わりにゴミ処理代金を支払うのだから問題ない、と言えるでしょうか。そんな事はありません。もしも貴方の隣の人がケチでゴミの処理を頼まなかったら、臭いしハエが増えるし、貴方にとっては大迷惑でしょう。こうした事態を避けるためには、税金を集めて全員のゴミを処理する事が必要なのです。
貧富の差が広がりすぎないように調整するのも財政の役割です。お金持ちからは税金を沢山とり、生活保護などに充てています。もっとも、どこまで調整するのかは、国によって考え方が様々なようです。
不景気の時に景気対策として公共投資などを行なうのも財政の役割です。最近は公共投資は人気がありませんが、大事な役割なのです。
話題を変えて、財政赤字について御話しましょう。予算には、国の予算と地方公共団体の予算があります。国の予算にも、一般会計予算と特別会計予算があります。いろいろな予算がありますが、一番注目されているのは国の一般会計予算です。
今年度の一般会計予算は、使う予定のお金が90兆円です。これを歳出と呼びます。兆円という単位は1の後にゼロが12個つくのですが、わかりにくいので、大雑把に日本人の大人一人あたり1万円だと考えて下さい。そうすると、90兆円は日本人の大人一人あたり90万円という事になります。
90兆円のうち、22兆円は過去の借金の返済と金利の支払いです。これを国債費と呼びます。26兆円は、社会保障の費用です。年金の一部が一般会計予算から支払われる部分などです。17兆円は、地方交付税などで、税収の少ない地方公共団体に渡してあげるお金などです。以上は、ほとんどが法律で決まっている通りに支出するので、工夫の余地や削る余地はありません。
残りの25兆円が、教育関係や防衛関係や公共事業など、工夫の余地のある支出です。工夫の余地があると言っても、それぞれ理由があって予算に計上されているのですから、削るのは簡単ではありません。つまり、歳出予算は90兆円もありますが、削るのは大変なのです。
さて、歳出が90兆円という事は、収入も90兆円必要です。収入のことを歳入と呼びます。予算では、税金などの収入が46兆円で、国債を発行して借りてくる金額が44兆円となっていますから、必要な経費の半分は借金で賄うというわけです。
毎年の歳出のうち、かなりの部分を借金で賄っていますから、政府の抱える借金の額は非常に大きくなっています。国だけで700兆円を超えていて、地方公共団体の借金などを加えると1000兆円を超える借金を抱えていることになります。
野田総理は、出来るだけ借金を増やさないようにと思って消費税を引き上げたわけですが、この数字を聞けば、総理の気持ちも理解できるでしょう。
もっとも、消費税の引き上げには反対している人も大勢います。税金を払いたくないという人も勿論大勢いますが、消費税をあげると景気が悪くなって税金を払う人が減ると考えて反対している人も大勢います。大変頭の痛い問題です。

本日のキーワードは、「国の出費の半分は借金だ」です。

分野: 経済予測 |スピーカー: 塚崎公義

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