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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > 中国③経済 (企業財務 M&A/村藤功)

中国③経済

村藤功 企業財務 M&A

12/12/07

中国の経済は、5年ごとに決められる5か年計画をもとにしています。先日の第18回中国共産党大会では、胡錦濤氏が習近平氏へトップの座を譲りましたが、既に2011年3月の全人代で五か年計画が決められており、今はその最中にあります。そこでは、経済成長の目標を7%としています。2006年から2010年に行われた五か年計画では7.5%とありましたから、0.5%下がったことになります。2006-2010年は、実際には7.5%ではなく、9-14%の高成長が続きました。したがって、今回も7%としてはいるものの、どのくらい成長するのかわかりません。日本より高く成長することは間違いありませんが、これまでのように高成長が続くのかどうかわからない状況にあります。

産業革命が起こるまで、世界のGDPの半分を中国とインドが占めていました。ところがこの二国は産業革命に乗り遅れ、世界に占める地位を下げることとなったのです。ところが30年くらいまえから、中国がカムバックしてきて、ついに2010年には、名目GDPで日本を追い抜きます。どのくらいものが買えるかをはかる購買力平価では、既に中国はアメリカを抜いています。このまま行けば、為替換算ベースにしても、20~30年後にはアメリカを抜くと言われています。しかし、難題が残されています。日本の食事は、中国の食事の5~7倍の値段です。これは、為替レートが明らかに間違っており、中国の為替レートがものすごく安い状態にあることを意味します。そこで中国はあらゆる所へ輸出をしていますが、安すぎる人民元レートはそう長くは続かないでしょう。

中国は、全体のGDPでは世界第二位に躍り出ましたが、一人当たりGDPでみると、まだまだ貧しい状態です。全体のGDPが日本とほぼ等しく、人口が日本の10倍いるとして計算すると、一人当たりGDPは日本の1/10しかないこととなります。したがって、中国人は、中国は強い国だと言う場合もあれば、貧しい国だから日本にお金を出せと言う場合もあるのです。

とにかく中国は、30年間も年間10%近くの高成長を続けており、日本はバブル崩壊以降20年間もゼロ成長を続けています。中国は、カムバックの途上にあるのです。インフレも2~3%程度でたいしたことありません。問題は失業率で、公的な統計では4%と出ていますが、本当は20%くらいあるという説も出ていて、実際のところよくわかりません。

そうした中で、そろそろ社会福祉もどうにかしなければならなくなってきています。今回の共産党大会では、医療保険が既に全体の96%をカバーしたことが高らかにうたわれました。昔は年金もなかったのに、最近では西洋のような年金制度を導入しています。これは、基本年金は強制加入である一方で、企業年金は任意、養老保険も任意という先進国と同様のシステムです。しかし落ち着いて考えると、一人っ子政策を取ってきたため、これから少子高齢化が中国でも起こるわけです。そうすると、若者が高齢者を支えるような年金制度が続くわけがありません。何十兆円ものお金が足りなくなるだろうことに皆気付いてきて、少し騒ぎが起こりつつあります。そういう意味では、経済成長とともに、先進国の病をも同時に受け入れたと言えるでしょう。リッチになったと思ったら、トラブルもいろいろ生じてきているのです。

中国と日本は、2000年にわたってお隣同士です。ここ50年や100年はいざこざが起きていますが、それを超える長い期間にわたって行き来があったわけですから、今後も仲良くやっていくほかないでしょう。

分野: 財務戦略 |スピーカー: 村藤功

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