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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > 普通の家庭の金融資産は10百万円だ (経済予測、経済事情、日本経済、経済学/塚崎公義)

普通の家庭の金融資産は10百万円だ

塚崎公義 経済予測、経済事情、日本経済、経済学

12/12/25

今日は、日本人の持っている金融資産について御話しましょう。銀行預金だけではなく、株式投資や生命保険なども含めた金融資産の金額についてです。金融資産ですから、住宅などの実物資産は含みません。また、家計調査という統計を使って御話しをしますが、二人以上の世帯の話をしますので、単身者の方は今日の統計に含まれていません。
まず、全体の平均は1664万円です。しかし、御自分の御家庭の金融資産が1664万円より少なくても、がっかりしないで下さい。世の中には億万長者がいて、彼等が平均を引き上げてしまうため、「平均の値」が「普通の日本人の姿」とは違うものになってしまうのです。前回、家計の収入の格差はあまり大きくないという御話しをしましたが、金融資産の格差はかなり大きいのです。
そこで、日本人を、と言っても実際には統計作成に協力してくれた数千世帯だけですが、一番の御金持ちから順番に並べて行って、真ん中に来る世帯を見て見ると、金融資産は約1000万円となります。つまり、大雑把に言って、平均の半分より少し多いくらいが普通の家計だ、という事になります。次からは、また平均の数字に戻ってしまいますが、半分より少し多いくらいが普通なのだ、と思いながら聴いていただくと、少しは精神衛生に良いかも知れませんね。
金融資産残高は、年齢によって大きな違いがあります。30歳代は6百万円、50歳代は15百万円持っています。ここまでは当然なのですが、60歳以上が22百万円の金融資産を持っているのです。さらに、現役世代は住宅ローンなどの負債を多く抱えていますが、高齢者は負債をあまり抱えていませんから、負債を差し引いたネットの資産で見ると、ますます高齢者の金持ちぶりが際立つわけです。
高齢者の金融資産額は、現役世代以上に個人差がありますから、高齢者が皆金持ちだという事では決してありませんが、高齢者だから弱者だという事は無いのです。
前回、高齢者の消費額は現役世代に見劣りしないという御話しをしましたが、こんなに金融資産を持っているならば、もっと沢山使えばよいと思います。お金持ちの高齢者が贅沢をしてくれれば、景気がよくなって現役世代も喜ぶのですが、なかなかそうはいかないようです。長生きをした時に貯金が底をついたらどうしよう、と心配なのかも知れません。
世帯主の職業で見ると、サラリーマン世帯が12百万円、それ以外が21百万円となっています。企業経営者などの金融資産が多いのは当然として、農林漁業従事者も20百万円の金融資産を持っています。農林漁業従事者というと、弱者だというイメージもありますが、平均してみれば、そうでもないという事になります。
もっとも、サラリーマン以外の世帯は、貧富の差が非常に大きいので、一概には言えません。また、老後に受け取れる年金がサラリーマンよりも少ないですし、何かあった時の保障もありませんから、これくらい金融資産がないと不安で仕方ない、という事もあるのかもしれませんね。
話題を変えて、日本人の金融資産の中身を見て見ましょう。
全体が17百万円ですが、そのうち積立型保険などが4百万円、株式などが130万円で、それ以外はほとんどが銀行預金です。郵便貯金も、郵貯銀行ですから、銀行預金にはいります。つまり、日本人の金融資産は、安全確実だけれども金利がほとんど付かないもので運用されているわけです。
米国では、日本とは逆に、リスクはあっても儲けを狙う人が多いので、預金よりも株式の方が多くなっています。米国人は「日本人はゼロ金利の預金で何故我慢しているのだ?」と思っているようです。一方で日本人は「米国人は何故株式投資などという危険な事をするのだろう?」と思っているようです。これは、日本人と米国人のリスク感覚の違いから来ているものです。
脱線しますが、リスク感覚の御話しをしましょう。米国人は、自由と豊かさを得るために、わざわざ大西洋を渡って新大陸にやってきて、先住民族や無法者たちと戦った人々です。一攫千金を夢見て幌馬車に乗って西海岸まできた人もいます。ハイリスク・ハイリターン志向の遺伝子を持った人々の集団なのです。ですから、大企業に勤めるより自分で会社を作って大成功したい、という夢を持っています。私事ですが、留学中に、自分は大銀行に勤めていて10年後は課長になるのだと言ったら、「夢が無い奴だ」と言われた覚えがあります。こうしたチャレンジ精神が米国経済の活力の源なのです。
米国が特殊な事は間違いありませんが、欧州は米国と日本の間にあります。という事は、日本も反対に安全志向過ぎるのかもしれませんね。
今日のキーワードは「普通の家庭の金融資産は10百万円だ」です。

分野: 経済予測 |スピーカー: 塚崎公義

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