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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > 第1回 モノづくりの変化:モジュラー化、オープン化 (国際経営論、経営戦略論、アジア産業論/永池克明)

第1回 モノづくりの変化:モジュラー化、オープン化

永池克明 国際経営論、経営戦略論、アジア産業論

12/12/03

前回は垂直統合型と水平統合型ビジネスモデルについて解説しました。

日本企業は製品のすべてを自社および自社グループ内で賄う「垂直統合型」ビジネスモデルを長年採用してきました。現在、薄型液晶テレビやプラズマテレビ分野の家電三社(ソニー、
パナソニック、シャープ)などが、ここ数年巨額の赤字決算に追い込まれています。その原因の一つが、垂直統合型ビジネスモデルに固執しすぎたことだとお話しました。それに対して、米国企業が成功している背景には水平分業型モデル、それを可能にしたそして製品のモジュール化、オープン化がありますが、今回はこれに触れたいと思います。

現在の世界のデジタル製品(民生用電子機器、テレビ、ビデオ、オーディオ、パソコン、ケータイなど)のモノづくりの多くは、すべてのプロセスを自社とグループ内だけでやろうという「自前主義」(垂直統合)ではなく、外部に任せる方がコスト的に安くつくと判断した場合、割り切って海外のメーカーに委託し、自分は自分の最も得意なところ、一番利益の上がる部分を手掛ける、という水平統合型に移りつつあります。つまり、付加価値を確保すると同時に全体の価格を引下げ、価格競争力を強めるという戦略です。現在、日本の代表的家電メーカーであるパナソニック、シャープ、ソニーが揃って史上最悪の巨額赤字に陥っている原因の一つは、世界のグローバル化、デジタル化によって始まったモノづくりの変化に十分に対応できなかったことです。なぜ、モノづくりがそのように変わったのかについて、今日は2回にわたって説明しようと思います。

90年代以降、パソコン、オーディオ機器、ゲーム機器、携帯電話などの産業分野では、米国系や台湾系のEMS(Electronics Manufacturing Service)と呼ばれる電子製品製造受託(請負)企業の成長が目覚ましくなっています。今日、ノートパソコンの90%以上は台湾系EMSが生産しています。さらに、それよりも進化し、製品開発、設計段階から受託するODM(Original Design Manufacturing)と呼ばれる企業も発展しています。発注するデルやHP、アップル、NOKIAなどの世界のブランド企業は、基本的な製品のコンセプトやアイディアを提供し、マーケティングに専念すればよいのです。こうした現象は、近年のグローバル競争の形の変化を象徴する現象の一つです。こうした変化の原因は、ビジネス・アーキテクチャの変化に伴う現象です。ビジネス・アーキテクチャとは、ビジネス・プロセスの中にある様々な活動要素間の相互依存性もしくは関係性のありかたのことです。製品面でいえば、具体的には第1に、製品のモジュール化、第2に製品の仕組みのオープン化です。

アーキテクチャは、元々全体の枠組み、構造、構成、建築物という意味ですが、経営工学的にはハードウェアあるいはソフトウェアの基本設計概念を意味します。つまり、開発設計から始まって、生産・物流・販売・マーケティング・ファイナンスなど、ビジネス・プロセスの中にある様々な活動要素間の関係のあり方を示しています。それを大きく分けると、モジュール型の製品、オープン型の製品、そしてインテグラルな商品になります。

モジュール型に対応するのがインテグラル型です。それを自社だけに通用する部品だけで作ることをクローズドと言い、それに対して汎用可能な部品を使うことをオープンと言います。このモジュール化、インテグラル化、そしてオープンかクローズかという4つの組み合わせによって商品の作り方が変わります。

今回はエンジニアリング的なお話が多くわかりにくかったかもしれませんが、今の日本企業の苦境とアメリカのアップルが絶好調だという背景を理解するためには必要なことです。

分野: アジアビジネス 国際経営 経営戦略 |スピーカー: 永池克明

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