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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > グローバル経営と地域統括本社 (国際経営、国際物流/星野裕志)

グローバル経営と地域統括本社

星野裕志 国際経営、国際物流

12/11/26

先日、QBSの入試で大連に行って来ました。その際に、東芝グループのあるテレビ工場を見学させていただきました。東芝は、中国だけで63の子会社を置いているそうです。ここでは液晶テレビを生産していましたが、非常に面白いところでした。

 このように、海外に投資して子会社を設置し、事業展開を行うことを、海外直接投資(FDI)と呼びます。こういう企業は、今、非常に多くあります。昨年の東洋経済新報社の調査によれば、世界でもっとも子会社を置いている企業はパナソニックで、その数は204社、日本企業ではトップとなります。二番目が、エアコンのダイキン工業で、149社。三番目がホンダで、133社です。

このホンダは、特に北米に子会社を置いています。なぜなら、北米での売上が全体の49%を占めているためです。これは、日本での売上の倍以上にあたります。そうすると、市場があるところで販売するだけでなく、生産や研究開発を行うようになります。それだけではなく、その後のメンテナンスなどのサービスや、自動車のローンなどのファイナンス機能も必要となります。その結果、アメリカ合衆国だけでも、23社の子会社が置かれるにいたっているのです。現地で二輪、四輪、航空機、耕運機などを生産していますし、最近ホンダは航空機事業も展開しています。これだけ多くの機能をもった子会社群が全米に展開されていると、それを統括する機能も必要となります。

 これが、今日の主題である、地域統括本社です。ホンダの地域統括本社は、カリフォルニアに置かれています。つまり、日本にある本社のようなものが現地にも置かれていて、現地で展開する事業会社を統轄しているのです。その理由は、一番目は、上述したように現地で展開する多くの子会社群を統括することです。二番目の理由として、迅速な経営判断をすることが求められていることが挙げられます。例えば、現地の顧客から何かリクエストを得た場合、現地から日本の本社へそれが行き、本社で判断して役員会にかけて判断し、もう一度戻す。こういう時間がかかることをしていれば、競合他社に負けてしまいます。そこで、現地のことを一番知っている現地の会社が、現地で意思決定をすることが求められるのです。あるいは、現地の資金や人材などの経営資源がうまく配分されるようなコーディネーションも必要になってきます。そして三番目の理由が、北米であればNAFTAという北米自由貿易協定の中で事業を展開することとなるのですが、そこでは現地に即したルールや仕組みを十分に理解しながら経営する必要があるからです。そのためには、日本の本社が一括して経営するのではなく、現地に権限を持たせることが必要になってきます。

こうした権限のひとつに、人事権があります。これまでの日本の企業では、どうしても日本の本社を中心に、日本人が経営してきました。しかしホンダのように、アメリカなどの海外の市場が重要であれば、現地で最適な人材を採用することも必要となると思います。また、現地での事業の判断を行う、決裁権も必要となるでしょう。さらに、先ほど資源の入手の話をしましたが、現地での資金調達や資源の配分を承認する承認権も、地域統括本社が有して経営することとなるでしょう。

 今後こういう形態の会社は、ますます多くなっていくと思います。日本にある本社において、世界の隅々で起きていることまで判断しながら決定を下すという時間がかかることは、もはやできないでしょう。先ほども触れましたように、最適な人材を現地で採用し、教育し、経営陣に加えていくということも必要となります。現地市場に浸透しながら、グローバルな規模で経営を行うこと。今日は、グローバル展開の方法として、地域統括会社のお話をしました。

分野: 国際ロジスティクス |スピーカー: 星野裕志

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