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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > 戦略の策定① (企業財務管理、国際金融/平松拓)

戦略の策定①

平松拓 企業財務管理、国際金融

12/10/29

今回と次回にかけて、経営戦略の策定(戦略策定)と戦略的計画の策定(計画策定)についてお話しします。この両者は、基本的には似て非なるものです。

まず、経営戦略の策定とは、一定期間後に企業がありたいとする形や姿、すなわち企業にとっての目標や目的地へ至るために、マネジメントによって大まかな道筋を描く作業のことです。戦略は、そこで描かれる道筋のことを指します。この道筋もどのようなものでもいいというわけではなく、効率的、効果的に目的地へ到達できる道筋が優れた道筋であり、優れた戦略であるということになります。これに対して、戦略的な計画の策定とは、こうした目標や戦略を所与のものとして、それらをどのように実行するかを決めるプロセスのことです。こちらの詳細については、次回に譲りたいと思います。

企業における戦略策定の前提となる目標は、通常は経営幹部やCEOが、シニアマネジメントの協力を得て策定します。経営理念や企業ビジョンといったやや観念的なものも、一種の目標といえます。こうした観念的な目標だけですと、戦略の道筋がはっきりしないという側面がありますので、多くの場合は、売上や利益、シェアなどの、財務的な目標も設定されます。また、直接財務的な目標ばかりではなく、たとえば顧客満足度や人材開発に関連する指標など、間接的、中長期的に財務面に貢献する目標が設定される場合も多くあります。

企業がどのようなことを基本的な目標として掲げるべきなのかという点については、様々な議論がなされてきました。代表的なものは、株主にとっての企業価値の最大化を目指すのか、それとも顧客や従業員を含む複数のステークホルダーにとっての価値を考えていくのか、といった議論です。ただ、中長期的な観点からしますと、顧客満足度の高い企業、あるいは従業員満足度の高い企業というのは、総じてそれ等が低い企業に比して株価は高くなる傾向があります。そういう意味では、両者は必ずしも相反するわけではなく、中長期的には大きな違いはないと言えます。

次に、企業において、戦略がどのように策定されるのかみてみましょう。まず経営者は、企業をとりまく外部の環境と、企業内部の資源の賦存状況を分析します。こうした視点から、基本的な機会と脅威、そして強みや弱みを見極めることで、その企業の得意技であるコアコンピタンスが発揮できるような戦略を策定するのです。

様々な戦略の中でも最も上位に位置するのが、どのような分野で事業を行うのかを決める「ドメイン戦略」です。例えば、再生可能エネルギーの固定価格買取制度が最近施行されましたが、それによって、様々な業種から風力発電や太陽光発電への参入がみられました。こうした新たな分野への参入も含めて、どこで戦うのかを示すのがドメイン戦略です。

戦う場所が決まったら、それぞれの分野でどのように戦うのか、他の企業とどのように競争するかについての戦略、すなわち競争戦略が必要となります。代表的なものには、コストの削減により価格を引き下げるコスト戦略、商品の機能を増やしたりブランドイメージを高める、商品の差別化戦略があります。

他にもあらゆる部門において、様々な戦略があり得えます。しかし、これらの戦略はあくまでも道筋を示すものであって、戦略を立てれば企業の活動がそのままその道筋に沿って動き出すというわけではありません。戦略の次にはプログラムが必要となります。次回は、そのプログラムを内容とする戦略的経営計画の話をしたいと思います。

分野: ファイナンシャルマネジメント |スピーカー: 平松拓

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