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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > 利益の量と質 (日本の会計、国際会計、税務会計、監査論、コーポレート・ガバナンス、西洋・東洋思想と倫理、経営哲学/岩崎勇)

利益の量と質

岩崎勇 日本の会計、国際会計、税務会計、監査論、コーポレート・ガバナンス、西洋・東洋思想と倫理、経営哲学

12/10/15

今回は「会計における利益」のことを話していきます。まず、企業が何のために会社経営を行っているかというと、当然のことながら、社会に有用な商品・サービスを提供することによって利益を得るためです。

しかし、利益の追求それだけでいいのかというとそうではなく、会社経営には、パブリックとプライベートという二つの側面があります。その「利益」というのがプライベートの側面で、「社会貢献」がパブリックの側面です。ではパブリックとプライベートのどちらを優先させるかというと、ヨーロッパやアメリカでは利益が先に来る利益第一主義という考え方がよくいわれます。

一方、日本の経営には利益第二主義という考え方があります。日本的経営というのは、そもそも近江商人のように、「先義(先に義を尽くす)後利(利が後についてくる)栄」で結果として会社・社会が栄えるという、売り手良し、買い手良し、社会良し (「三方よし」) という考え方です。社会がハッピーになるためには単なる利益追求ではなくて、社会に貢献することが必要で、良い商品・サービスを提供して義を尽くすとその結果として後で利益が回ってくるということです。別言すれば、喩え話ですが、体が健康ならウンチが必ずと出るのと同じで、企業が健全ならば利益は必ず出るという考え方です。

また、利益には「量」と「質」の二つの側面があります。「利益の量」とは金額のことですが、質とは何だろうと疑問に思う人もいるでしょう。会計哲学のようですが、よく考えてみると、お金(利益)を「どこから稼ぐか」が重要で、それを「利益の質」といいます。会計では、「本業的な稼ぎ」、「経常的な稼ぎ」、「臨時的な稼ぎ」、「その他の包括利益」というように四つに分けます。

第1は、本業での利益すなわち営業利益です。例えば、トヨタが自動車を売って稼ぐのは本業で稼ぐことに当たり、これを営業利益と言います。これが最も利益の質が高いと考えられます。企業を初めに設立する時は別として、これが赤字だとすると、社会に迷惑をかけているのだから市場から退出したほうがいいのではないか、と言われることになります。それゆえ、企業は本業で儲かっていないといけません。つまり、本業で黒字が出ているならば、たとえ他の部門が赤字になり、倒産したとしても、再建可能であると考えられます。
第2は、経常的な利益すなわち経常利益です。経常利益とは、毎期経常的に発生する利益なので、今期が100あれば、来期も、例えば、80から120の間位であろうと予想できるものです。多少の前後はあるだろうが経常的に稼げるであろうと予想しうる利益です。
第3は、臨時的な利益を含めた純利益です。
第4は、その他包括利益(主に評価損益を計上したもの)を含めた包括利益です。数年前まで日本国内では純利益(本業や経常とか特別なものまで含めた一会計期間における利益)を損益計算書上計算・表示していました。しかし、国際的な影響を受けてIFRS(国際財務報告基準)が日本でも任意適用になり、日本の国内基準が改訂され、その影響で包括利益が日本の会計基準に入って損益決算書等に利益として計上されるようになってきています。

もう1つの利益の質についてですが、これはキャッシュ・フローの観点から利益の質を見ようとするもので、キャッシュフローで裏付けられているかどうかで利益の質が見ます。つまり、利益がキャッシュ・フローにより裏づけられているほど、質が高いと考えます。

今日のキーワードは「利益には質と量がある」です。

分野: 会計 財務戦略 |スピーカー: 岩崎勇

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