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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > 失業率 (経済予測、経済事情、日本経済、経済学/塚崎公義)

失業率

塚崎公義 経済予測、経済事情、日本経済、経済学

12/10/12

今日は、失業率のお話です。失業というのは、働く意欲と能力があるのに仕事にありつけない、という事ですから、決して望ましいものではありません。

失業にも、いくつか種類があります。第一は、自発的失業です。今よりも良い仕事を探そうと思って仕事を辞めた人の事です。これは、前向きな失業なので、問題ないとも言えるでしょう。
統計的には、決して少なくありませんが、あまり統計は当てにならないかもしれません。
形の上では自発的な退職でも、会社から無言の圧力を受けて辞めたという人も多いと思われるからです。

今一つは、求人の数は充分あるのに、求人の条件と合わないから失業しているというものです。
たとえばコンピューターが使える人は就職口があるが、使えない人は就職口が無い、という場合もあるでしょう。あるいは、都会には仕事があるけれど、田舎で親の面倒を見なくては
いけないので田舎で仕事を探すしかない、という人もいるでしょう。こうしたケースは、気の毒ではありますが、政府に何とかしろと言っても難しいでしょう。

問題は、景気が悪いから仕事が無い、という失業です。さすがにリーマン・ショック直後に比べれば、失業は減って来ましたが、それでもまだまだ多くの人が不況のせいで失業しています。

統計を見ると、自発的失業を含めても失業率は4%強に止まっていますが、実際にはもっと深刻な事態になっています。それは、仕事を探しても無駄だから仕事を探すのを止めてしまった人が、失業率の統計にはいらないからです。たとえば、女性の失業率は男性より低いですし、55歳以上の失業率は全体より低いですが、こうした数字は、仕事を探すのを諦めてしまった人が多いからこそ出てくるわけです。正社員の仕事が見つからないから仕方なくアルバイトをして苦しい生活を強いられている、という人も大勢いますが、彼等も失業率の統計には含まれていないのです。
こうした人々は、政府の景気対策で救って欲しいものです。

失業して可哀そう、というと、どんな人を想像しますか?中高年の社員がリストラされて路頭に迷っている姿を想像した人も多いでしょう。もちろん、一家の大黒柱が失業してしまえば、大変な困難に直面しますし、とても可哀そうである事は間違いありません。

しかし、若者の失業も、それに劣らず可哀そうなのです。前回お話したように、日本企業の正社員は終身雇用が原則ですから、若い時に失業すると、そのまま正社員になれずに一生を終える可能性が高くなります。一生不安定な身分で給料も安いままという事になると、特に男性の場合には結婚相手が見つけにくいという事もあるようです。

そして、問題は、若者の失業率が平均よりも遥かに高いという事なのです。15歳から24歳までの失業率は、男性で9%、女性で7%、平均で8%です。全体の失業率が4%強ですから、およそ2倍の高さです。

若者の失業率は、いつでも全体より高いのですが、不況期には一層高くなります。それは、企業が従業員数を減らす時に、現在の社員を解雇するよりも、新規採用を抑制する方を優先するからです。

景気以外の要因もあります。このところ、年金の支給開始年齢が少しずつ引き上げられていますが、それに伴なって定年退職の年齢が引き上げられたり定年後に再雇用が行なわれたりしています。
企業としては、長い間勤めてくれた仲間が年金をもらえるまで雇っておいてあげたい、という事なのでしょうが、その分だけ新卒採用の人数が減る事になるので、若者にとっては大変迷惑な話だという事になるのです。

さて、新卒採用は、若干持ち直して来ているようですが、まだまだリーマン・ショック前の状況には戻っていません。ラジオを聴いている皆さんの中にも、自分や知人が大学4年生で就職活動中、という方もいらっしゃると思いますので、少しだけ大学生の就職活動の話をしましょう 。(*)

最近の就職活動は、昔に比べて期間も長いですし、面接の回数も多いです。何十社か受けてやっと1社か2社から内定がもらえる、という例が珍しくありません。卒業までに就職の内定を得られるか否かで、平均すると生涯所得が何千万円も違って来るので、頑張る必要があります。

今一つ気を付ける事は、大企業ばかりではなく、中小企業も積極的に受けてみるという事です。中小企業からの求人は、沢山あります。せっかく大学を出たのだから大企業に就職したいと思う気持ちはわかりますが、昔よりも大学生の数が格段に増えているので、大学を出れば大企業に入れる、という事では無いのです。中小企業からの求人は大量にありますから、その中から自分の希望条件に近い所を探して積極的に受けてみる事が大切なのです。

今日のキーワードは「若者の雇用が大切だ」です。

(*) 勤務先の久留米大学で就職支援の仕事をしている関係で、久留米大学生へのアドバイスを
   書きました。インターネットに公開してありますので、よろしければ御笑覧下さい。
   URLは http://www.tsukasaki.net/report/report1105.htmlです。

分野: 経済予測 |スピーカー: 塚崎公義

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