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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > 雇用の非正規化 (経済予測、経済事情、日本経済、経済学/塚崎公義)

雇用の非正規化

塚崎公義 経済予測、経済事情、日本経済、経済学

12/10/11

今日は、働いている人の数について御話しします。数字がたくさん出て来ますが、大体のイメージを持っていただければと思います。日本の15歳以上の人を見ると、6割弱の人が働いています。
そのうち、25歳から55歳までの人を見ると、男性が9割、女性が7割、平均して8割くらいの人が働いています。25歳から55歳というと、働き盛りですから、男性の9割が働いているというのは、皆さん納得されると思います。女性の7割が働いている、というのは、皆さんのイメージに合うでしょうか?ここではフルタイムで働いている人だけではなく、主婦がパートで働いているケースも含んでいるので、皆さんのイメージより高い数字になっているかもしれません。

過去10年くらいを見ますと、日本の人口は、全体としては余り変わっていません。内訳は、15歳以下が少し減り、15歳から64歳も少し減り、65歳以上が大きく増えています。ところで、15歳から64歳までの人口を生産年齢人口と呼びます。65歳を超えても元気で働いておられる方は大勢いらっしゃるのですが、やはり比率は低いので、統計としては65歳で区切っている、という事です。御理解いただきたいと思います。15歳から64歳の人口は、様々な面で注目されていますが、よく耳にするのが15歳から64歳までの人が年金を支払い、65歳以上の人が年金を受け取るので、払う人と受け取る人の比率が問題だ、という話です。

働く人の数の話に戻りましょう。生産年齢人口が減っているわりには、働いている人の数は、それほど減っていません。これは、女性が以前よりも仕事を持つようになったからです。結婚する年齢、出産する年齢が上昇している事などが影響しているのだと思います。

働いている人の約8人に1人は、自営業主とその家族で、8人中7人が他人に雇われている人です。
皆さんは、この比率をどう感じましたか?もう少し自営業者が多いと感じた方が多かったかもしれません。
実は、自営業者等の比率は、比較的早いスピードで下がり続けているのです。子供が勤めに出ていて、老夫婦が田んぼやお店を守っている、というケースで、高齢化とともに引退する老夫婦が多いということなのでしょう。今一つは、シャッター通りと言われるように、大手との競争に敗れて廃業する零細商店などが多いという事なのでしょう。

では、業種の話に移りましょう。日本は物作りの国だと言われていますが、働いている人のどれくらいが製造業で働いていると思いますか?じつは、6人に1人なのです。この割合は、卸・小売業で働いている人と同じなのです。

昔は、製造業で働く人がもっと多かったのですが、大分減りました。最大の要因は、製造業はサービス業に比べて自動化が進みやすいという事です。今一つの要因は、中国などとの競争です。製造業の中で自動化が難しいものは、中国製品との競争に負けてしまうか、みずから工場を中国に移すか、いずれにしても日本人を雇わなくなるという事です。

今一つは、統計の問題もあります。昔は製造業が自分で警備とか掃除の係を雇っていたのが、最近では専門の会社に警備や掃除を頼む例が増えています。そうなると、統計では製造業で働く人が減るのです。

さて、今日の最大の話題に移りましょう。非正規雇用が増えているのです。雇われている人の中で、正社員ではなくパートやアルバイトなどの非正規雇用の人の割合を見ると、男性で2割、女性で5割強となっています。もちろん、子育て中の主婦や定年になった高齢者が、短時間労働を望んで自分から非正規雇用を選んでいる場合もあるでしょうが、そうでないケースも非常に多いのです。週に35時間以上働いている人の中で、正社員は5人中4人で、残りの1人は非正規雇用です。少なくともこの人たちは、正社員になりたくてなれない人々なのでしょう。

非正規雇用が増えている最大の原因は、企業が正社員を減らして非正規雇用を増やしている事です。
人件費を減らす、不況の時に備えて人員整理が出来るようにする、という事なのでしょうが、これによって多くの人が不安定で低収入な非正規雇用を余儀なくされているのです。

非正規社員に関しては、今一つ大きな問題があります。日本の企業は、正社員は新卒採用の終身雇用と決めている所が多いので、一度非正規社員になってしまうと、頑張っても正社員になるのは難しいのです。

たまたま高校なり大学なりを卒業した時に景気が悪くて正社員への就職が出来ないと、一生非正規社員のまま過ごす可能性が高くなります。また、結婚や出産で一度退職した女性が、子育てが一段落した後に仕事に復帰する際に、正社員になれる可能性は非常に低いのです。

これは、本人たちにとっても不幸な事ですが、せっかくの労働力が活用できていないという意味で、日本経済にとっても勿体ない事でしょう。

今日のキーワードは、「非正規雇用の増加は問題だ」です。

分野: 経済予測 |スピーカー: 塚崎公義

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