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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > ラオス:東西回廊をどう使うか? (国際経営、国際物流/星野裕志)

ラオス:東西回廊をどう使うか?

星野裕志 国際経営、国際物流

12/10/08

今回と次回は、先日ロジスティックスの調査で赴いた、ラオスとブータンについてお話しします。

国連では、後発開発途上国(LDC: Least Developed Country)という分類を定めています。これは、所得水準が低く、人的資源が乏しく、経済的な基盤を欠いている国のことであり、かつては最貧国とも呼ばれていました。こうした国が世界には48ヶ国ありますが、ラオスやブータンもその中に含まれます。実際に行ってみても、これらの国には外資系のホテルもほとんどみられませんし、海外からの直接投資も限られています。都市や住宅をみても、決して豊かではありませんが、旅行者の目から見ると、豪華なものがない分、人びとの普段の生活に貧しさを感じませんでした。大きな格差が感じられない分、むしろゆとりを感じる、不思議なところではありました。

ラオスとブータンは、主な産業が農業であるという点で共通していますし、水力発電による電力が主な輸出産業といえます。その背景には、両国とも水が非常に豊かであるという事情があります。ラオスにはメコン川が流れており、タイとの国境はその三分の二がメコン川で占められています。ブータンは山間の厳しいところに位置しますが、急流があるので水力発電ができるのです。そのために、ラオスからはカンボジアへ、ブータンからはインドへ、それぞれ電力が輸出されています。

これらは、内陸国であるという点でも共通しています。これは非常に様々な点でハンディキャップとなっていて、海外から何かを輸入しようとしても、自国では輸入する拠点を持っていないのです。輸出しようにも、海外へ輸出する拠点となる港がありません。必ず、どこかの国の土地を通ってこないといけないのです。

今回の調査の目的のひとつは、グレーター・メコン・サブリージョンといわれる地域の物流インフラの調査でした。東西回廊とは、西はミャンマーから、タイやラオスと通ってベトナムへ至るインドシナ半島の約1,450kmの自動車専用の横断道路のことで、2009年に完成しました。かつては、タイのバンコクからベトナムのハノイへは、船を使って十日間かかっていました。しかし今では、トラックでわずか二日で行けるといいます。最近ではベトナムに多くの企業が進出していますし、また、タイには、洪水によって大きな影響を受けたと言え、自動車産業をはじめとする産業集積があります。この回廊を使って、自動車関連の産業は部品をタイからベトナムへ輸出する、あるいはベトナムでできあがった製品や部品をタイへ送る、ということも可能になります。今後、この東西回廊によって、域内の経済がますます活性化することを期待できるのです。

そのような中で、内陸国のラオスは取り残されるのではないかと心配されます。ラオスは、東西回廊の中程に位置しますが、専ら素通りされています。なぜかというと、ラオスは主たる輸出産業を持たないために、このルートを利用しきれていないのです。また、メコン川を用いた船による輸送もほとんどみられません。これには、乾季と雨季の干満の差が激しく、河川の利用が難しいという背景があります。しかし今後、メコン川や東西回廊を利用して国内で産業を育て、海外へ繋げていくといったことで、内陸国ラオスに成長の可能性があるのではないかと、今回の調査を通じて考えました。

今回のはなしをまとめると、物流インフラを活用して、国内産業を育成する。国内産業を物流インフラを活用して、輸出に繋げるという「東西回廊をどう使うか」ということです。

分野: 国際ロジスティクス |スピーカー: 星野裕志

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