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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > 国際化とグローバル化 (国際経営論、経営戦略論、アジア産業論/永池克明)

国際化とグローバル化

永池克明 国際経営論、経営戦略論、アジア産業論

12/10/01

今日の講師は久留米大学、永池 克明です。今回は、グローバリゼーションについて話していきます。
一般に「国際化」それから「グローバル化」を「インターナショナライゼーション」、「グローバライゼーション」と言いますが、それらがどう違うか厳格に考えたことがあるでしょうか。実は、まだ若い学問ではありますが国際経営論においては大きくニュアンスが違います。

(1)国際化&国際経営
ビジネスで言えば、国際化とか或いは国際経営というと、国内中心から海外へ企業が活動舞台を拡大したり進出したりすることです。最初は日本国内から輸出をする。次の段階は色々な事情で輸出が困難になり、海外で生産するようになって、徐々に国内から海外に出て行くようになる。そういうことを「国際化」という訳です。そして企業活動の一部、或いは多くが国境を越えて海外で行われる時に、その経営がよく「国際経営」或いは「国際ビジネス」と言われます。つまり、国際経営というのは、国境を越える経営、或いは国境を跨る経営で、英語でいうと" Managing Across Borders "というわけです。

(2)グローバル化&グローバル経営
一方、「グローバル化」、或いは「グローバル経営」と言った場合は、世界規模で経済活動の相互依存が進んでいるという状態の中で経営をすることです。つまり、世界中の顧客を相手にして、世界中の市場を一つの市場として考え、一方、経営資源的には世界中の最適な所でヒト、モノ、カネ、情報、ノウハウといったものを活用しながら競争優位に結びつけて、戦略を展開していく経営のことです。

2.グローバリゼーンのステップ
2005年に出版されベストセラーにもなった『フラット化する世界(The world is flat)』」の著者、アメリカのトーマス・フリードマンによると、グローバリゼーションというのは今に始まった訳ではなく、長い歴史を経てずっと進行してきており現在も進行中であるということです。そして彼は、まずグローバリゼーションには3つあると言っています。

(1)グローバリゼーション1.0(国のグローバル化)
1つは「グローバリゼーション1.0」。これは言わば「国のグローバル化」のことです。15世紀に、コロンブスがアメリカ大陸を発見し、ポルトガル、スペイン、オランダ、イギリスなどの西洋列強が海外に活動範囲を広げていった、大航海時代と呼ばれる時代がありました。盛んに通商貿易を行ない、徐々に南米やアジア諸国を植民地化していった時代です。ビジネスで言えばイギリスやオランダの東インド会社が国家ぐるみで海外進出を行い、日本にもやがてその触手は及び、キリスト教が伝来したり、鉄砲が伝来したりした時代です。これによって戦国時代の戦争のやり方が変わり、圧倒的な鉄砲装備で伝統的な戦法を打破し、織田信長が天下を取りしました。

(2)グローバリゼーション2.0(企業のグローバル化)
その次は、グローバリゼーション2.0。国のグローバル化も続いて、地層のようにその上に産業革命が起こって、蒸気船や蒸気機関車が出て交通手段などが飛躍的に発展し、企業は海外に乗り出していった訳です。この時代になると、イギリス、オランダなどのヨーロッパ企業、それからアメリカ企業としてフォードやGMやデュポンが次々に出て行き、それからシーメンス(Siemens)、アーエーゲー・テレフンケン(AEG Telefunken)、ネッスル、クルップなどドイツを中心に欧州の企業が続き、それに遅れて日本企業が海外に出て行きました。こういうことが繰り替えされた時代を、第二波としてグローバリゼーション2.0と呼びます。

(3)グローバリゼーション3.0(個人のグローバル化)
グローバライゼーション3.0というのは2000年ごろから始まってまさに現在進行中です。これは企業ではなく「個人」のグローバル化の時代です。トーマス・フリードマンに言わせると、これからは個人、一人ひとり、私たち一人ひとりがグローバル化していかなければならず、そのためスキルを磨いていかなければ生きていけない時代になってきたということです。世界は現在、コンピューターの発達、インターネットやスマートフォンの普及などで世界中の個人が距離や場所とはまったく関係なしに、世界のどこからでも双方向のコミュニケーションがとれます。研究開発でいえばそうすると、同じ会社の中で日欧米の技術者が連携し、日・欧・米で時差を利用して仕事のリレーをしていけば、9:00~17時までの勤務で24時間業務が理論的に可能になるわけです。これを一社だけでやる場合と比べ、数倍の効率をあげることができます。製品開発をやる場合、日欧米でリレー式に仕事をしていけば、一人で3日かかる仕事が一日で済むわけです。製品開発は日本でやるので、まず、部品材料の調達をスピーディーに押さえ、積極的に取り組みましょう。というわけです。こうした色々なことを時差を考えながらメールをやり取りして、仕事を分担し、休みなしで仕事が出来、3倍以上の効率を上げつつ、ある時は共同で力を出しながら同じ仕事が出来る訳です。

まとめ
以上のように国家、企業、個人と3つのグローバリゼーションというのは、重層的に発展してきており、今はいよいよ私たち個人1人1人がグローバル化していかなければならない時代になってきています。今回の話をまとめると、国際経営においては「国際化」と「グローバル化」には違いがあり、その中でグローバリゼーションには1.0、2.0、3.0まであって、今は個人のグローバル化が必要な時代になってきたということです。

分野: アジアビジネス 国際経営 経営戦略 |スピーカー: 永池克明

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