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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > 利益計算 (日本の会計、国際会計、税務会計、監査論、コーポレート・ガバナンス、西洋・東洋思想と倫理、経営哲学/岩崎勇)

利益計算

岩崎勇 日本の会計、国際会計、税務会計、監査論、コーポレート・ガバナンス、西洋・東洋思想と倫理、経営哲学

12/10/16

前回利益には量と質があると話しましたが、今回は「利益計算」についてお話します。

利益計算と聞くと、一会計期間という言葉が思い浮かぶかもしれませんが、例えば、4月から翌年3月あるいは1月から12月というように、会計期間を区切って損益の計算することを、「期間損益計算」と言います。法人の場合は大体4月1日から3月31日の場合が多く、1年間という期間損益計算を行っています。
 
 
 
ところが実は損益計算のやり方には、二つあります。

損益計算についても、視野を広く取る練習をしなくてはいけません。広く取るとはどういうことかというと、会社というのは設立から解散まで一つの生涯を辿ります。この「設立から解散まで」を一つ損益計算の期間として捉えるものが「全体損益計算」です。

そして、実務的には、「会社は一旦設立されるると半永久的に継続するという仮定」に基づいて期間損益計算をやっています。このように、期間損益計算と全体損益計算という二つのものがあります。この考え方が何故有益なのかというと、例えば、法人税法では損失を繰越して、翌期に利益が生じた場合、それを相殺して、税金を払わないで良いという制度(欠損金の繰越控除制度)があります。

この制度がなぜ認められるのかというと、前期は赤字なのに、当期黒字だからといって前期の部分を無視して当期分だけ払うと余計に税金を払うことになります。しかし、全体損益計算的な観点からは、損益を通算した方が企業に正しい課税ができるわけです。つまり、このような制度を設計する時に全体損益計算という見方が有用とされています。
 
 
 
次は、「収益をどの段階で計上するのか」というお話です。
収益をどの段階で計上するのかの問題は、時代によって異なりますが、次の4段階が理論的には考えられます。

第1段階は、これは経済発展が未熟な時代の考え方で、利益の質が一番高い現金取引の段階で収益を計上するものです。現金で売って収益を実現し、キャッシュまで受け取った段階で収益を計上するものです。
第2段階は、信用取引を含めて収益を計上するものです。互いに信用して、掛や手形で行った取引を含めて収益に計上する段階ですが、長い間会計はこの段階で収益を計上してきました。

ところが国際会計基準(IFRS)の影響で、第3段階がつい最近実現されました。すなわち、これまでは、収益を計上するためには、実際に取引に必ず参加していたのですが、IFRSでは実際に市場取引に参加していなくても、市場の価格が上がったり下がったりする影響を損益に取り込むことが可能であるというもので、この場合には、評価損益を計上することになります。

世界の会計は現在この段階で止まっていますが、その次に理論的には、第4段階として、「ビジネスモデル」に基づいて収益を計上するというものが考えられます。これは、例えば、大学の更地にホテルを作るといくら儲かるかというビジネスモデルを考えた時に、このビジネスモデルを考えただけで収益計上できるようにするものです。

これは、頭の中で収益が上がると考えればよいわけですから驚くべきことです。つまり、前述のように、第3段階で自分が取引に参加していないのに収益を計上することを認めているので、収益計上を行うために、実際の取引は必要ないというパンドラの箱を既に開けてしまっています。そして、これが可能であるともし社会が認めるのであれば、ビジネスモデルを考えただけでも何億円、何兆円の収益を計上するという段階まで(理論的には)考えられます。
 
 
 
今日の話をまとめると、一つは、「期間損益計算」と「全体損益計算」という、損益計算を期間で区切るのか全体で見るのかという見方です。もう1つは、(利益の源泉となる)収益をどの段階で計上するのかということ、すなわち、現金の段階なのか、信用取引の段階なのか、実際に参加しなくても、価格の変動があれば、評価損益が計上できるのか、ビジネスモデルの段階なのかということで、四つの段階があり、現在は第3段階までやってきているということです。

分野: 会計 財務戦略 |スピーカー: 岩崎勇

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