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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > 第1回 世界のフラット化と個人のグローバル化 (国際経営論、経営戦略論、アジア産業論/永池克明)

第1回 世界のフラット化と個人のグローバル化

永池克明 国際経営論、経営戦略論、アジア産業論

12/10/22

前回の最後に触れたグローバリゼーション3.0,すなわち、「個人のグローバル化」を見ていきましょう。

ITやデジタル化の進展にともなうインターネットなど通信手段や交通手段の飛躍的な発展による世界のフラット化によって人々はこれまでの歴史には見られなかったような平等な立場で様々な作業を行っています。世界の多くの人々がリアルタイムで共同作業をしたり、あるいは競争したりしています。地域的にも今までよりずっと広範囲の世界の人々が多種多様な作業を行っています。それは彼らが担当している様々な仕事が世界とつながっているからです。

 今日の世界経済や企業経営はグローバリゼーションの進展に伴い国際的な相互依存が高まっている時代です。経済は地球規模でリンケージが形成され、実物経済(モノの経済)も貨幣経済(マネーの経済)もこれまで以上に互いの衝撃を受けやすい状況となっています。
2007年に顕在化した米国のサブプライム・ローン問題に端を発した投機資金の混乱は瞬く間に世界の金融システムに影響し、米国の投資銀行さらに欧州、そして世界に波及した。
いわゆる「リーマン・ショック」です。世界の裏側で起きた経済・金融面での衝撃が瞬時に世界規模の経済・金融の混乱、そして需要の減退と供給能力の過剰という世界規模の経済不況をもたらしたことは記憶に新しいですね。

また、企業経営では国境を越えたアウトソーシングや国際分業(工程間国際分業ネットワーク)などはその典型的な例です。多国籍企業は地球上の知識中枢をすべて接続しネットワークにまとめ、企業・コミュニティ・個人による共同作業とイノベーションを行うようになってきました。その範囲は欧米や日本のような先進国に限らず、アジアをはじめ多くの地域の人々もそれに参加するようになっている。そのネットワークに参加するためには、個人一人一人が参加できるだけの能力とスキルを磨く必要です。

 BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)もその具体的な事例でしょう。世界中でビジネスを展開している多国籍企業はこれまで自社内で行ってきた本社機能のうち、バックオフィス的な業務(コールセンター、給与計算、出張旅費計算等の経理業務、ソフトウエア開発、建築設計・グラフィックデザインなど)を自国で続けるとコストが高くなります。
このため、これらの業務をもっと低コストで請け負ってくれる海外諸国の人々に代行してもらって、コストダウンを狙うのです。

こうした機能を受け持つ国や地域は世界中に広がっています。代表的なところだけでも、中国、インド、フィリピン、シンガポール、オーストラリア、南アフリカ、アイルランド、オランダ、ロシア、イスラエル、東欧、メキシコ、コスタリカ等、枚挙にいとまがないほどです。特にアメリカの多国籍企業は、上記のようなバックオフィス機能を世界中のコストの安い国や地域にアウトソーシングしています。こうした多国籍企業の業を請け負うことができるところはアメリカ国内よりも低コストで同レベルの仕事ができるスキルを持っているということが条件です。今や、日本企業もグローバル競争に勝ち残るために、本社のバックオフィス機能をアジアや中国の人々にアウトソーシングする動きが一般的になってきました。私たちも現在やっている仕事が将来突然、アジアや中国に持って行かれるかもしれません。そうした事態に対処できるよう、常により高度な仕事ができるようスキルアップを怠ってはならない、常に、個人の仕事がどんどん世界とつながっているのだということを意識することが大切です。それが個人のグローバル化の時代というわけです。こうした国際分業は何も多国籍企業本社のバックオフィス機能だけでなく、製品開発から材料調達、生産・組み立て、メインテナンス、サービス機能といったすべてのライン業務も水平分業によるビジネスモデルを一般化させています。これについては、次回に述べたいと思います。

今日のキーワードは、フラット化、BPO(Business Process Outsourcing)です。

分野: アジアビジネス 国際経営 経営戦略 |スピーカー: 永池克明

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