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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > 本当の国際性とは何か? (国際経営論、経営戦略論、アジア産業論/永池克明)

本当の国際性とは何か?

永池克明 国際経営論、経営戦略論、アジア産業論

12/09/28


国際人・国際性とは何か
前回、前々回とシリーズで「3つの目」が重要だと話してきましたが、今回は「国際人と日本人」という話をしていきます。私は初めて貿易論や国際経営論を学ぶ学生たちに、授業の冒頭で「貴方が考える国際人とはどんな人ですか?」と聞くのですが、そうすると大体十人が十人、語学が強い人(英語あるいは出来れば中国語とかドイツ語とか出来る)と答えます。他に無いのかと追い打ちをかけてもあまり出てきません。今日はそういったこと(国際人、国際性とは何か)についてお話したいと思います。

結論から言うと外国語が分かるだけでは国際人としては不十分です。それでは本当の国際性というのは何かと言うと、まず一番大事なことは自分の国のこと、自分が生まれた町、故郷、国の歴史や文化などを外国人に説明出来るかどうかということです。これが国際人の第一歩目だと思います。語学が流ちょうに話せても、話す中身が乏しければ、しゃべりたくてもしゃべれません。こうした中身のない人間は外国人も敏感に察して、以降、あまりまともに付き合ってもらえません。

第二点は、当然のことですが相手の国のことをちゃんと勉強しておくことです。相手もパッと顔を輝かせ、よく知ってるね、と。そうするとお互いにコミュニケーションが出来ます。第三点は、ある種の共通の言葉、すなわち、趣味など共通の何かを持つということです。例えば音楽だとか絵だとか、あるいはゴルフだとかテニスだとかそういったようなものは、世界共通なものです。これがあれば、極端に言うと言葉が出来なくても一緒に一日プレイすればすっかり友達になれます。ボディ・ラングエイジで十分です。そういうようなことができることもまた国際人としては必要です。

更に、これも日本人によくありがちなのですが、「日本の常識は場合によっては外国では非常識」ということを分かっているということも国際人の条件です。例えば座り方。座り方というと日本だと畳に正座するのが男も女も正式な座り方ですが、韓国では直接床に座るのは共通ですが、昔、私も韓国人から正座は止めた方がいいと言われました。どうしてかと聞くと、それは裁判官の前に引き出された罪人の座り方だからで、韓国では男は胡坐、女性は片膝立てて座るのが正式だということでした。国が違うと日本の常識がある国では非常識だったりするのです。それを知っていることも国際人の条件です。

この種の例はいくらでもあります。たとえば麺類でもそうでしょう。外国に行ってスパゲティを、ズーズーと音を立てて食べると笑われますが、日本では蕎麦屋さんに行ったら音を立てた方が店の主人は喜びますよね。そういうことを常識として知っておかないといけないということです。
 
 
島国日本と日本人
国境意識もあります。日本のように国境の見えない島国では、普段は国境の意識がありませんが、海外では全く違うわけですね。日本は海に囲まれているから国境を意識しなくても実害はないのですが、海外では川ひとつ、通りひとつ隔てて国境があるところもあり、両国民が生活している様子が見えるわけです。島国の国民は国境意識が無く、あるいは外国人と外国語を喋る必要があまり無い。そういうことだから、余所者、身内意識が強かったり、外国とか外に関心が薄かったり、あるいは外から内を見た経験がない、つまり外国から日本をしっかり見たことが無かったりして、自分のことを客観的に理解出来ないということになります。

また同様の理由で、自分の常識が他国の非常識になることを知る機会が多くなく、あるいは外国と日本を比較して客観的に評価出来ません。日本人は外国人に比べて、国境意識や自分が日本人だ強く意識することに鈍感になりがちです。外交についてもやや鈍感なところがある。こういうことは、島国の中ではなかなか気がつきませんし、理解できません。私も昔、海外の大学に留学したり、海外子会社に駐在してある一定期間実際に外国で生活してみないとなかなかわかりません。ですので、いま私は学生や若いビジネスパーソンに若いうちに海外留学したり、就職したら積極的に海外駐在を希望して、海外で生活してみなさい。企業も若い社員をどんどん海外に出して、肌で海外を体感させなさいと言っています。海外から日本を見て、やっと客観的に良さも悪さも見えてくると思います。それが国際人として最も重要な要件だと思います。

今は、福岡もそうですが外国人の方たくさん訪れています。そういった人々と積極的にコミュニケ-ションを図るというのも良いでしょう。日本の学生も普段が島国に住んでいるので外国人に接する機会もしゃべる機会も少なく、あまり上手ではありません。せめてもっと積極的に接触する機会がもっともっとあったらいいと思っています。
 
 
 
今日のキーワードは、「本当の国際人とは何か」、それから「日本と国際性」です。
もっと自分の国のこと、町のことを外国人に説明できることも大事だと言いましたが、実際外国に行って日本のことをよく聞かれる場面はたくさんあります。日本企業はどうやって意思決定するんだとか、何で相撲では土のリングに裸足なのか、横綱、大関、関脇の名前の由来は何ですか、あんな大きな力士と小さい力士を同じ条件で相撲を取らせるのはフェアじゃないとか、様々あります。海外で暮らすと誰でもある意味日本を代表しているんだと感じることや、国旗を背負っている意識になりますよね。日本人として海外に行ったら恥ずかしいことは出来ないとか、使命感的なものも湧いてくるし、常に日本と比較しながら考える習慣が身に付きます。結果的に日本を客観的に見れるようになります。そのことがグローバル時代を生きる上で極めて大切です。特にグローバル化の時代なので、それを是非若い内に経験して欲しいと思います。

分野: アジアビジネス 国際経営 経営戦略 |スピーカー: 永池克明

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