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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > 第12回 株価の決まり方 (経済予測、経済事情、日本経済、経済学/塚崎公義)

第12回 株価の決まり方

塚崎公義 経済予測、経済事情、日本経済、経済学

12/08/15

株価の決まり方も前回話したドルの値段、あるいは為替レートの決まり方と似ています。
 
 
 
まず、「正しい株価というものがあるはずなのでそれを求めればいいだろう」という人達がたくさんいます。そういう人の考え方には二通りあって、1つは「株価が1株あたり利益の何倍になっているかという倍率を計算すれば、その結果がどの株についても同じになるはずだ」という考え方です。

この計算結果はアルファベット3文字でPER、あるいはパーと呼ぶ人もいますけど、「利益が同じならば株の値段が同じになるはずで、そうでなければ株価の低い方の株をみんな買うだろうから、結局同じところに揃うはずだ」というのが理屈です。もちろんこれは出発点であって、実際に投資をする際には当然もっと色んなことを考える必要があります。

たとえば、将来有望な成長企業であればPERが高くても不思議は無いでしょう。また、株を買って配当を受け取ろうか銀行に預金して利子を受け取ろうかと考えている人は、銀行の金利が高くなると株を売って預金するので、銀行の金利が高い時の方が同じ株でもPERが低くなるはずだ、といったことも考える必要があるでしょう。
  
  
  
更にPBRというものがあります。これは株価が1株あたり純資産の何倍になっているかという倍率です。

企業が解散する時には株主は1株あたり純資産だけ戻ってくるわけなので、基本を言えば株価というのは1株あたり純資産と等しいはずでしょう。もちろんこれも実際の投資にあたっては色々考える事があって、将来ずっと黒字が続きそうな企業ならばPBRは1より高くて当然なので、急成長が見込まれる企業ならPBRは相当高くてもこれまた無理して買ってもいいかもしれません。
 
 
 
これとは全く別に、「妥当な株価なんて考えてもしょうがない」、「そうではなくて過去の株価の動きから将来の株価を予想しよう」という人々が大勢います。

過去の株価のチャート、つまり株価のグラフですが、株価のグラフを見ながら株価を予想するわけです。有名なのはローソク足というグラフで、月初の株価と月末の株価のどっちが高いか、その月の最高値と月末の株価の違いがどのぐらい大きいか、そういったことを見ながら来月の株価を予想しようというものです。

あるいは他にも色んなやり方があって、有名なのは過去25日間の平均と今の株価の比較から今後の株価を予想するものです。前回の為替レートの時も同じ様な話があってとても奇妙なのですが、このやり方の根拠を一言で言うと、「多くの人がチャートを重視しているから自分も重視する」ということです。為替レートの予想で人々がドル安を予想すればドルが安くなるだろうというのと同じで、チャートを使った分析によると株が安くなるとチャートが言っている場合があります。

「チャートを使った分析によると、株安が予想される」という場合、人々は何を考えるでしょうか。「多くの人がチャートを重視しているから、多くの人が売り注文を出し、株価は下がるだろう」、と予想するでしょう。それならば、自分も売っておこう、という事になるわけです。こうして、一層多くの人がチャートを見て取引をするようになるのです。
 
加えて、株価の動きを予想する際には前の日のアメリカの株価が下がると日本の株価も下がるという法則も覚えておくといいでしょう。もちろんちゃんとした理由がある場合もありますが、多くの場合にはアメリカの株が下がると翌日日本の株も下がると人々が信じていることが原因です。「人々が日本の株を売るから自分も売ろう」という、これもチャートと似たような理屈です。
 
 
 
更に、平均株価という物が発表されていてニュースでよく聞くと思いますが、平均株価と個別の株価についても少し説明したいと思います。本来であれば個々の株の値段がバラバラに動いてそれを平均したものが平均株価になるはずなのですが、実際には主要な企業の株価はどれも似たような動きをしています。

これは巨額の資金を持った機関投資家と呼ばれる人々の中に、自分の運用する莫大な資金が平均株価に負けないようにしたいという風に考えて主要な株式を幅広く、今日は買おうといって幅広く買ったり、今日は売ろうといって幅広く売ったりしている人達がたくさんいるからです。そういう人達が大量に買った日は全ての主要な株が上がるし、反対に売った日は全ての主要な株が下がるといったことがしょっちゅう起きています。

最も個々の株式について研究して投資をしている人ももちろん大勢居ます。長い目で見るとやはり業績の良い会社の株価は他の会社よりも上がるといったことは言えるでしょう。特に上場している企業の中であまり大きくない企業の株は機関投資家が大量に売買する株式のリストに入っていない場合もあって、そういう会社の方が平均株価と全然違う動きをする場合は多いようです。

なので、じっくり会社の事を研究して株を買ってみたい人は機関投資家が大量に売り買いする売買のリストに入ってなさそうな銘柄を選んで投資するのも面白いかもしれません。
 
 
 
前回に引き続き、今日のキーワードは「株価の動きは複雑怪奇」です。経済の研究も進んでいますが、最終的には人の要素が非常に強いのでしょう。

分野: 経済予測 |スピーカー: 塚崎公義

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