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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > 企業ブランド (マーケティング/出頭則行)

企業ブランド

出頭則行 マーケティング

12/08/02

今回は、日本で企業ブランドが重視されるのは何故かについてお話しします。

ブランドは、大きく言うと企業ブランド(コーポレートブランド)と商品ブランドの2つがあります。例えばソニーのVAIOですが、ソニーはコーポレートブランドで、VAIOは商品ブランドです。同じくトヨタヴィッツのトヨタはコーポレートブランドですし、ヴィッツは商品ブランドです。ブランドには大きく分けてコーポレートブランドと商品ブランドがあると申し上げましたが、日本は歴史的に企業ブランドが非常に重視されております。これは日本特有の事象です。例えばアップルがiPadを製造販売していますが、アップルイアパッドとは言いません。ジェネラルモーター(GM)で一番売れているのはシボレーですが、ジェネラルモーターシボレーなどと言いません。そういう意味では欧米ブランドの多くは、例外はありますが、企業ブランドと商品ブランドが独立しています。

何故日本では企業ブランドが重視され、例えばパナソニックVIERAなど商品名がペットネームみたになってしまう傾向があるのでしょうか。

これは私自身の考えで確固たるデータがあるわけではありませんが、日本の場合、まず暖簾への思いがあると思います。暖簾と言うと、暖簾を守る、暖簾には傷を付けられない、暖簾分けなどといういい方があります。暖簾自体はお店にかかっているバナーです。「とらや」など老舗のお店の多くには暖簾がかかっています。ところで、暖簾代というのを御存知ですか?企業がM&Aをする時の無形資産代を暖簾代と言い、英語ではgoodwillです。目に見えないけれども、愛顧が集まる物を暖簾と言い、まさしくgoodwillなわけです。ブランド価値などはgoodwillです。世界で今一番ブランド価値があるのはコカコーラと言われています。

日本の場合は企業ブランドと商品ブランドがパッケージとなっている(一緒になっている)ケースが多く、そのことが消費財(コンシューマー・グッズ)において日本であまりM&Aが無い背景の一つだと思います。ネスレの場合、キットカットは買収した商品です。ペリエもそうですが、多くの消費財を買収しています。GMがキャデラック・ブランドやビュイック・ブランドを他社に売ることがあり得ることですが、トヨタがトヨタカローラを売るのは有り得ないでしょう。トヨタが付いている限り買い手はいません。

日本の広告が異質だと世界で言われる理由の1つに、企業ブランドと商品ブランドがパッケージになっているという事があると思います。老舗企業への尊敬もあるでしょう。ヨーロッパもさぞかしと思われるかもしれませんが、現在登録されている創業200年以上の企業数は、日本では3,000以上あるのに対して、ドイツでは850くらいです。オランダが220で、多いという印象があるフランスでも200弱です。200年以上の歴史を持っている老舗企業は日本が圧倒的に多いことが、企業ブランドが重視される背景の1つでしょう。更に、強い一族意識、一党意識、一門意識があります。落語でも歌舞伎でも一門が名前を継いでいきます。襲名披露など名前を継いだり、茶道にも表千家、裏千家があります。名取、名跡、家元制度、一家相伝という事もあり、一家、一族が技術を引き継いでいきます。門外不出のような芸があり、これも世界に例が無いわけではありませんが、日本において相当特徴的な事であり、これらが背景にあり、日本では企業ブランドが非常に重視されていると考えます。

今日のキーワードは暖簾を守る、暖簾を分けるなどの暖簾です。

分野: マーケティング |スピーカー: 出頭則行

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