QT PRO モーニングビジネススクール

QT PRO
モーニングビジネススクールWeb版

FM FUKUOKAで放送中「QT PRO モーニングビジネススクール」オンエア内容をWeb版でご覧いただけます。
ポッドキャスティングやブログで毎日のオンエア内容をチェック!

PODCASTING RSSで登録 PODCASTING iTunesで登録 電子書籍で記事を読もう! EPUB

ブログ&ポッドキャスト詳細

QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > 京セラフィロソフィー (日本の会計、国際会計、税務会計、監査論、コーポレート・ガバナンス、西洋・東洋思想と倫理、経営哲学/岩崎勇)

京セラフィロソフィー

岩崎勇 日本の会計、国際会計、税務会計、監査論、コーポレート・ガバナンス、西洋・東洋思想と倫理、経営哲学

12/08/16

今回は、コーポレート・ガバナンスと経営理念について、具体的な実例をもとにお話しします。

経営の神様と呼ばれる人といえば、例えば、松下幸之助氏や稲森和夫氏等が思い浮かびます。
京セラの創業者である稲森氏は、京セラで培った経営理念やフィロソフィーをKDDIやJALに応用しています。彼によれば、会社運営にまず第1に必要なことは、会社が向かうべき方向性を明らかにすること、要するに、しっかりした経営理念に基づいて経営目標を立てることです。経営目標に向かって、経営戦略を立てて会社経営をしていくわけですが、その際に確固とした経営理念が必要になります。そのベースには、しっかりとした根幹となるべき考え方や哲学(経営哲学)が必要です。京セラの場合には、このベースとしては、人として生きる上での基本的な考え方、すなわち人間として正しい事を正しいままに追求するということを基礎としています。これは、人間として正しい判断基準を持てば、必ず経営実践の場においてそれが有効に機能すると考えるからです。このように、社員全員がベクトルをそろえて、同じ方向を向かなければいけないのです。東京に向く人や博多に向く人など、社員がばらばらですと、会社経営はうまく行きません。どこかにベクトルを合わせないといけません。経営者を含めた全社員が同じベクトルに向くために、社是や経営理念を設けて共有することが必要なのです。

京セラの経営理念は、「全従業員の物心両面の幸福を追求すると同時に人類社会の進歩発展に貢献する」というものです。また、京セラは、これとは別に顧客第一主義を謳ってはいますが、顧客を大事にする前に全従業員を物心両面で幸福を追求するという点に特徴があります。顧客第一主義はよく聞かれる考え方ですが、経営者にとって重要なのは、まず内側の経営資源を固めること、すなわち、社員を大事にすることです。利益を生むためには顧客を攻めるほかありませんが、それは当然のことであって、その前にまずベースキャンプである内側をしっかり固めなければいけません。つまり、自分自身の足腰を強くしておくこと(すなわち、自社の社員の仕事に対するモチベーションを最高限度に保っておくこと)です。これは非常に日本的な経営方針です。こうした方針に則った会社、例えば、京セラにしてもKDDIにしても再建後のJALにしても、これから益々成長していくことでしょう。

会社の中には、大王製紙に典型的に見られるように、経営者は上から目線で社員をみて、世襲制を採ることも多く見られます。しかし、京セラは、ホンダ等と同様に、世襲制ではありません。会社は創業者一族のものではなく、社員全員のものと考えます。従って、自分たちがきちんと給与などを貰いたければ、自分たちでしっかりと働きなさい、と言えるわけです。稲森氏はまた、一人一人の従業員が経営者たれと言います。「僕が経営者でお前たちが従業員だ。」という上から目線ではないのです。アメーバ経営や事業部制の形を採って、全員に自分が経営者に参加しているという当事者意識をもってしっかりと仕事をしてもらうということが重要であると考えています。

そういう面では、ベクトルを合わせるために、やはり経営理念が必要ということです。会社がどこへ向かいたいのかを示さなければならないのです。稲森氏はよく、以下のように言っています。丘に登るのか、普通の山(九州でいえばたとえば九重山)に登るのか、国内の最高峰である富士山に登るのか、世界で最高峰のエレベストに登るのか。このように、どこを目指して会社経営をしていくのかという点を、経営理念ではっきりさせ、それに対する準備を十分に行うことが大事であると共に、世界トップクラスの会社には、それなりの次元の高い経営理念が必要であると考えているのです。

分野: 会計 |スピーカー: 岩崎勇

トップページに戻る

  • RADIKO.JP
  • ビビックスマホ