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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > サービス産業のグローバル展開(1) (国際経営、国際物流/星野裕志)

サービス産業のグローバル展開(1)

星野裕志 国際経営、国際物流

12/07/30

今回は国際経営の分野ですが、製造業に対して非製造業という話をします。

例えば、自動車会社や家電メーカー、昔なら繊維の会社など製造業の海外進出に言及するのが国際経営の主な分野でしたが、最近はサービス産業など非製造業の進出が件数も金額も世界的に上回っているので、こちらの動きに着目してみたいと思います。

非製造業では、金融、小売流通業、輸送、コンサルティングサービスなどの業界がグローバルに展開しています。以前ご紹介したIKEAなどは流通業の代表ですが、こういうサービス産業、非製造業が海外に進出するのは非常に大変な事です。何故なら、製造業であれば、製品を自分で見て、良い機能を持ち、デザインも使い勝手も良く、価格も適正であれば自分で判断して購入します。

それに対してサービス業では、自分でサービスを経験してみないと良し悪しは判断出来ません。実はサービスは目に見えないのがサービス産業の特性なのです。ですから、自分で体験してみないと分かりません。例えば、サービスに非常に定評があるホテルがあって、施設や客室などのハードは目に見えますが、そのサービスの良し悪しは自分で体験しないとわかりません。誰もが高く評価するサービスだとしても、自分にとっては過剰なサービスであり、もっとビジネスライクに放っておいて欲しいと思う人もいる一方で、名前を覚えて呼ばれるのが
心地良いと感じる人もいるかもしれません。つまりサービスは、誰にとっても同じ様に受け取られるわけではありません。

次に満足感ですが、これも常に同じレベルで得られるか分かりません。例えば、前回大変良いレストランがあっても、次に行くと食材が違ったり、シェフが違ったりすると同じ満足感を得られないかもしれません。そもそも前回行った時は初めてだったので、驚きや新鮮さに非常に感動したかもしれませんが、2回目ではそうは行きません。そうなると、状況や提供する側と自分との関係で変動することになり、常に一定ではありません。

それからサービスは、常にその場で消費され、製品と違って蓄積が出来ません。製品であれば在庫を持っていつでも顧客の望む時に提供する事が出来ますが、サービスはそうではありません。例えば、ゴールデンウィークの時期には、飛行機も電車もテーマパークも非常に込み合います。ただ、この時だけの為に収容人数を増やす、供給量を増加させるといったことはできません。つまり在庫は持てないので、サービスは常に提供する側と受ける側の顧客との関係において良し悪しが成り立つので、簡単ではありません。

こういったサービス業の特性を、マーケティングの世界的な研究者のフィリップ・コトラーが次の4点にまとめています。第1が無形性、形が無いということです。第2が非分離性、貴方と私、提供者と自分との関係においてそのサービスの良し悪しが決まります。第3が変動性で、常に状況と環境によってそのレベルが変わります。第4が即時性、つまり在庫がなく、常に消費と提供が同時に行われます。

最初にお話をしたように、工業製品のように可視化出来ないので、相手と自分の関係が絶対になりますから、その良さを人に伝えるのは難しいのです。例えば海外に参入する企業がその市場の顧客に対して、提供するサービスを告知するのは難しいでしょう。したがって、サービス産業では製造業以上に海外展開は難しいかもしれません。そのうえ、サービスは目に見えないという事に加え、現地の習慣とかライフスタイルによっても受け取り方は様々なので、サービス産業を多国籍化するのは大変難しいのではないかと思います。

今日のキーワードは、サービス産業のグローバル展開の難しさです。

製造業以上に難しいという事を4つの要素でお話しました。


分野: 国際経営 |スピーカー: 星野裕志

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