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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > 第7回 バブル (経済予測、経済事情、日本経済、経済学/塚崎公義)

第7回 バブル

塚崎公義 経済予測、経済事情、日本経済、経済学

12/07/05

今日は、バブルについてお話ししましょう。バブルとは、株や土地などの値段が、本来あるべき値段よりも遥かに高くなる事です。人々がバブルだと知りながらマネーゲームに興じるという事も、希にはありますが、その時には人々がバブルだと気が付かずに、後から考えるとバブルだった、という場合がほとんどです。
バブルの最中は、今の高い値段があるべき値段なのだ、と人々が思いこんでしまうのです。

たとえば1980年代後半の日本では、「日本経済は世界一だ。アメリカよりも素晴らしいのだから、日本の土地や株が高いのは当たり前だ」と人々は思っていたのです。今では信じられませんが、当時はアメリカ人でさえも、日本に負けている、あるいは負けそうだ、と心配していたのですから、ある意味で自然な事だったのですが、行きすぎでした。

バブルの事をユーフォリア(陶酔的熱狂)と呼ぶ事がありますが、まさに当時の日本は気が大きくなった酔っぱらいの集団がバラ色の未来を熱く語り合っていたようなものでした。

バブルになると、景気は絶好調になります。株や土地を高値で売った人々は、贅沢をします。持っているだけの人も、贅沢をします。「自分は大金持ちだ。老後の心配はいらないから、給料は貯金しないで全部使おう」と考えるからです。そうなると、高級自動車や高級家電などが飛ぶように売れます。そこで自動車会社などは大きな工場を建て、大勢人を雇います。企業は儲かりますから株価は更にあがり、工場用地を買いますから土地の値段も更に上がることになるのです。

しかし、株や土地の値段は、永遠には上がりませんから、いつかは本来あるべき値段にまで下がります。もしかすると、本来あるべき値段を超えて更に下がるかもしれません。借金して株や土地を買った人が、借金を返すために無理をして売るかもしれないからです。これが、バブルの崩壊です。では、バブルが崩壊した時には、何が起きるのでしょうか。

人々は既に高級車や高級家電を持っているので、誰も新しく買う人はいません。一方で、自動車会社などは大きな工場を持ち、大勢の社員を雇い、工場建設資金を借りていますから、大変な苦境に立たされます。

さらに、人々は急に自分の老後が心配になり、倹約をはじめます。バブル期に貯金をせずに贅沢した分、老後の蓄えが不足しているからです。

バブル崩壊は、銀行に大きな打撃を与えます。借金が返せなくなる借り手が増えるからです。銀行から見ると、不良債権問題が深刻化する、というわけです。不良債権は、バブル型と不況型に分かれます。

バブル型不良債権とは、バブルの最中に貸し出した土地購入資金が返済されないものです。銀行は担保を処分しようとしますが、貸出金の一部しか回収できず、損失を被ります。しかも、多くの銀行によって担保の土地が大量に売却されることで、土地の値段が一層下がります。すると不良債権が一層増える、という悪循環になるわけです。

不況型不良債権とは、景気悪化によって赤字になった借り手が借金を返済できなくなるものです。こちらは、銀行が無理に担保を処分すると、借り手企業が倒産する事になります。バブルに踊っていたわけではない、普通の会社が倒産するだけでも可哀そうですが、倒産によって失業者が発生し、景気が悪化するという意味でも影響は深刻です。

さらに、銀行が不良債権の増加によって貸出に慎重になる事も、景気を悪化させる要因です。銀行としては、羹に懲りて膾を吹くのは仕方のない面もあるのですが、それによって材料を
仕入れる資金が借りられない会社が倒産する、といった事も生じてくるわけです。

不良債権が更に増えると、銀行自身が潰れそうになります。そうなると、一層景気に悪い影響が出るのですが、その話は次回にしましょう。

バブルが崩壊すると、これほど痛い目に遭うのに、どうしてバブルは防げないのでしょうか?そして懲りずに繰り返すのでしょうか?主なバブルだけを見ても、日本で80年代の後半に株と土地のバブルがありました。その10年後にはアメリカでITバブルがありました。コンピューターやインターネットなどに関係する会社の株だけが異常に値上がりしたのです。その数年後にはアメリカで、住宅バブルが発生しました。アメリカには大勢の移民がはいってくるから、これからも大量の住宅が必要になるはずだ、ということで、住宅価格が値上がりして住宅建設が異常に盛り上がったのです。

バブルが繰り返すのは、最初に御話ししたように、その時には人々がバブルだと思わないからなのです。実際、バブルの頃には、日本経済を動かしているような賢い人々も、バブルだと
気付かずに、焦って自宅を購入したりしていました。真似して私も買ってしまいましたが。

今日のキーワードは、「バブルは繰り返す」です。

分野: 経済予測 |スピーカー: 塚崎公義

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