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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > 地域の再生を考える(7)-シニアの果たす役割 (経営学 /久原正治)

地域の再生を考える(7)-シニアの果たす役割

久原正治 経営学

12/07/19


日本のシニアは現在世界で一番恵まれている状況にあります。そういう状況を認識してシニアの方々は何をすればいいのでしょうか。今回は特に「地域の再生の為に若者の手助けをやるべきなのではないか」という提案をしたいと思います。

しかしそれほどシニアが恵まれている状況はなかなかピンとこないかも知れないので、まずいくつかのデータを示します。

 

日本のシニアがどれほど恵まれているか
いずれも先進国と比較していますが、まず1人当たりの金融資産で見ると、2007年のリーマンショック以降アメリカやイギリスが株での運用が大きかったことで資産を急激に減らしている中、日本のシニアは世界で一番資産を持っています。1人当たりの金融資産が世界全体で2008年に日本がトップになって、その資産の8割を世帯主が60歳以上の世帯が持っています。

それから2番目に一人当たりの医療費の効率性が挙げられます。日本の平均寿命は先進国で最高で、女性の方が86歳ぐらいで、男性もほぼ80歳です。そういう中で1人当たりの医療費が先進国で一番低く、普通医療費が低ければ寿命は短くなるはずなので、日本の医療費と寿命との間のパフォーマンスはずば抜けて良いといえるでしょう。

例えばアメリカだと1人当たり医療費が日本の3倍ぐらいで、寿命は先進国で一番短くなっています。アメリカは金持ちでないと医療を受けられず、貧乏な方は早く亡くなってしまうという問題があり、この面でも日本のシニアの置かれた状況は世界で一番であるであろうと言えます。

貧困問題においても日本は恵まれています。様々なデータがありますが、日本で過去1年以内に食料や衣料に関して買うのに困った人は約4%しかいません。それに対してドイツやフランスが大体5%から10%ぐらい、アメリカやカナダ、韓国では20%ぐらいと言われています。更に中国やロシアになると半分近くの人が衣食に関して物を買えなくて困っています。そうすると貧困問題に関して日本は世界で一番恵まれているということです。

それからもう1つ平等度という面白いデータがあって、「その国の上位の金持ち0.1%が国民所得の中でどのくらいのシェアを持つか」というデータを見ると、日本は戦後ずっと2%ぐらいとなっています。

それに対してイギリスやアメリカ、カナダでは、80年代頃の経済の自由化と共に平等度が一挙に崩れてきて、今やアメリカでは上位0.1%が10%以上の資産を持っています。それからドイツとかフランスも日本よりこの平等度のパフォーマンスは悪いようです。

 

他の様々なデータを見ても、高齢者の自立度や、高齢者の生活困窮度調査においても日本が世界の先進国の中でほぼ最高のパフォーマンスを示しています。生活の困窮度率ではスウェーデンは日本よりちょっと低くなっていますが、これは国民負担が大きくて6割ぐらい税金で取りそれで困っている人を助けているからパフォーマンスが良いわけです。


こうして様々なデータで見ると、日本のシニアの方は今世界で一番恵まれている状況にあるのです。


 


恵まれたシニアの達が果たすべき社会貢献の役割
しかし逆に今の若者が将来困っていくことは明白です。この今の恵まれている状況を維持する為には、働いている若い人からお金を取っていかなければいけなくなります。

シニアの人に今出来ることは若い人をサポートして仕事の場を与えたり、将来の希望を与えたりすることです。こういう活動を是非シニアの人にやって頂きたい。

また、もっと大きな目で見て雇用の場を提供するだとか、そういう活動をある程度組織化して若い人が社会の中で良い仕事を得られるように、退職された方々がそれをきちっとサポートしていく体制などが必要です。

それから祖父母が子供の大学の学費を持つなどの形で、資金面で還流をしていく方法もあります。

シニアはそういう場を自ら探す必要があるので、朝から自分の趣味をやるなんて、とてもそういう状況ではないと思います。

 

「若い人にどうやって恵まれたものの恩返しをするか。」これを是非考えて頂く必要があるのではないかという気がします。

シニアはともかく世の中人の為に何か貢献をする。そうでないと日本は若い人がこれから段々貧困になっていって、折角築きあげた日本のこの素晴らしい世界一の現在のシニアの方の幸せな状況が一挙に崩れてしまうということになります。

分野: 経営学 |スピーカー: 久原正治

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